環境市民学会

富山市の「ボルファートとやま」で、
「風のがっこう富山実行委員会」主催の、
環境市民学会が催されたので行ってみました。

最初に基調講演をされたのは、富山県出身で、
国立環境研究所の所長をされたこともある、
富山国際大学教授の石井吉徳さんでした。
地球物理学の見地から環境を考える人で、
石油エネルギーの危機とは何かを、
エネルギー密度で話されたのが印象的でした。

資源としてのエネルギーであるには、
○濃縮されていること。
○大量にあること。
○経済的な位置にあること。
こうした条件が重要であるとして、
太陽や風などの自然エネルギーは、
分散したまま使わないと非効率であるとか。
またそれぞれのエネルギーはなるべく変換せず、
自然のエネルギー形態のままで使わないと、
効率的なエネルギーとならないと話された。

ある程度は知っていたことだけど、
こうして体系的に話されるとわかりやすい。

次に、「風のがっこう」の由来でもある、
ケンジ・ステファン・スズキさんの講演があって、
デンマークと日本の財政収支を比較して、
日本でのお金の使われ方に問題があると話された。
国の財政の4割が借金の返済だなんて、
普通の家なら財政破綻しているところなのに、
その同じ国内に債権者である銀行もいるのだから、
ひたすら貧富の差ばかりが大きくなる構造だ。
そう、それはよくわかっていることだ。
ではどのようにこの借金財政を切り抜けるのか?

どうもその手法とは、財政を黒字にする方法で、
デンマークでは貿易黒字を続けているから、
それを見習った方がいいような話をされる。
だけどそうした解決方法では、自国はいいけど、
その代わりどこか他の国が赤字になるわけだから、
世界全体で進行している貧困や環境悪化にとって、
何の解決策にもなっていないように思う。
むしろそうした経済拡大はどこかに歪みが生じる。

思いあまって僕がそう質問したところ、
石黒さんも同じようなことを思われたようで、
あとでそのへんの話になった。

基調講演の後の分科会では「生活と環境」に参加。
石黒さん、森満理さん、平野さん、相沢未希さん、
と話が続いて、最後の石井登さんのお話しも面白かった。

明日はディスカッションとワークショップがあるけど、
二日とも参加するには僕にとってお金が厳しいので、
今日だけの参加にして会場を後にした。

そのあと高岡のウイングウイングに寄って、
やはり富山国際大学助教授の藤野豊さんによる、
「女性の社会進出が阻まれた理由」を聞いた。
藤野さんは、部落問題、ハンセン病問題など、
日本では差別問題の第一人者であり、
そのお話はとても含蓄のあるものでした。
「今は多数者の民主主義で少数者を差別する」
「大切なのは“鼻つまみ者”の人権を守ること」
こうした発言が言葉だけではない重さを感じました。