動き出した巨大マネー

今年春にホリエもんが日本放送株で大騒ぎになって以来、
巨大マネーによる企業買収の話題が日本でも活発になった。
合わせてマスコミの買収や再編の話しも取りざたされて、
TBSは三木谷楽天によって買収されようとしている。
村上ファンド阪神タイガースの株式上場を目論んでいる。
そこには10億、100億を単位としたお金が走り回り、
その会社の経営者は経営に失敗していないにもかかわらず、
暴れ回る巨大なお金の力に対抗する有効な術はない。

何も生産しない金融マネーとはいったい何なのか?
この巨大マネーはどこから出てきたものなのか?
そこに日本国の負債760兆円の秘密が隠されている。
そもそも760兆円の負債に対する債権者は誰なのか?
ほぼすべて一部の利権者と金融機関のものになっている。
景気浮揚策として大量の資金を垂れ流しにした政策で、
物価も株価も上がらなかったのはなぜだったのか?
一握りの債権者に大量のマネーが集められていたからだ。

物価も株価も上がらずに国民全体の借金だけが増え続け、
マネーゲームで蓄えられた金融巨大マネーが動き出せば、
今の日本企業で買収から逃れられるものは数少ないはずだ。
マスコミもスポーツも例外ではなく金融商品になっている。
こうしてあらゆるものを金融化してしまった今の日本は、
このさき長期に渡ってマネーに翻弄されるしかないだろう。
選挙で選ばれた国会議員が作った法律に則った行為だから、
これも民意としてひとまず受け入れるしかない。

それではこの巨大マネーからはじかれた多くの人は、
落ちこぼれとして惨めな生活をするしかないのだろうか?
そうではない。最初からそんな必要はまったくない。
初めっから金融マネーなんかどうだってよかったのだ。
政府によって流通マネーと同じに扱われたからと言って、
そんなものを相手にせずに自分たちの生活を築けばいいのだ。
生活に必要なものは自分の生活圏でまかなう体制を作り、
金融マネー資本とは一線を画した生活の自立をすればいい。

今まで僕が取り組んできた自然農も地域ネットワークも、
JJ-PJもフィロソフィアも各種自主映画上映会も、
まみあな活動がそうであるように自立への試みなのだ。
いずれ来るこの国の未曾有の危機に対してどう向き合うか、
それは何も地球温暖化放射能汚染ばかりの話ではない。
人々のなにげない生活の奥深くまで入り込んだ、
世界に蔓延するウイルス・マネーとどう立ち向かうか、
そのワクチンこそが自立と共生に他ならないのだ。