水納島の浜

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沖縄の環境問題と言えば、平和問題とも絡んで、
最近は辺野古ばかりが取り上げられている。
辺野古問題はたしかに大切なので疎かにできないけど、
問題なのはけっして辺野古ばかりではない。
沖縄の海の環境は、近年あまりにもひどくなった。

金銭経済優先の開発によって珊瑚礁が埋め立てられ、
沖縄本島の周囲に生きた珊瑚礁を探そうとすれば、
北部のヤンバル地方へまで足を延ばさないと見られない。
宮古島八重山方面の離島にしたって、
僕が初めて沖縄を訪れた30年前に比べれば、
すっかり死の世界になっていると言っていい。

そして海岸線には大量のゴミが流れ着いていて、
そのほとんどが日常の生活から廃棄されたゴミだ。
海岸にゴミがあるのはあたりまえになってしまい、
ボランティアでのゴミ拾いが盛んに行われる。
海岸線をきれいにするには人の手がかかる?
人手をかけられない海岸はゴミの山になっている?

と思っていたらとんでもない、大間違いなんだよね。
場所によっては遠方から流れ着くゴミもあるけど、
海岸のゴミの多くは近隣で放棄されたものが多いから、
生活者のいないこの水納島では海岸にゴミがない。
延々と続く砂丘のようなダイナミックな海岸線に、
ゴミらしいゴミは一つもなくて美しい!
こんな広くてゴミ一つない海岸は見たことがなかった。

ただしこの島はそう簡単に行けるわけではなくて、
小さな飛行機とチャーター船を乗り継いで行って、
しかも島には誰も住んでいる人がいないから、
牛牧場のオーナー家族が持っている空き家を借りて、
自炊しながら滞在するしかない島である。
ゴミを出すのは人間だって事をあらためて思い知る。

沖縄の美しい海岸をいくつも知っているけど、
ここはその中でも、もう一度行ってみたい海岸だ。
もちろん、海の中の生態系も豊かに生きている。