みどりの行方

エコロ・ジャパン主催による夏季アカデミー
「ドイツ総選挙と環境・エネルギー政策の今後の行方」
に参加してきた。
司会・報告が代表の今本さんで、
ゲストが小野一さん(工学院大学助教授:ドイツ政治学

この20年間に飛躍的な躍進をしたドイツの環境政党は、
今年に入って凋落傾向が止まらず、明後日の総選挙では、
社会民主党緑の党での連立内閣が終止符を撃つ可能性が高いらしい。
世界的にナショナリズムの風が強いのかもしれない。
それでも緑の党は、この20年間に一定の役割を果たした。

脱原発の流れは今後どう修正されるかわからないけど、
社会保険料と抱き合わせた環境税の導入や、
二重国籍を認めた外国人に対する政策など、
いくつかの点で、国の政策を大きく変更させてきた。
この功績は大きいと思う。

そしてまた同時に心しておくことは、
経済優先の国政を「お金ではない豊かな暮らし」に向けて、
価値観をシフトさせようとした試み自体は、うまくいかなかった。
この価値転換が、いかに難しいかを物語っている。

同じ緑の党にいた人の中で、本来の価値観転換を望んだラジカルな人は、
すでに緑の党を離れて、新たな道を模索し始めているという。
こうした人たちの動向は、まだ政治レベルには現れないけど、
アタックなどの活動を通じて、少しずつ広がりを持ち始めている。
この動きが今後どうなるか、興味深く思っている。