日本の9.11選挙雑感

以下は、とあるMLに流したメールです。

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最終的な自民党当選者の数の多さにはまいりましたが、
今回の選挙は、ほぼ予想通りの結果だったような気がします。
投票率が比較的高かったから、これをもって民意とするなら、
国民は多くの議論よりもはっきりとした断行を選んだわけで、
それを民主主義の崩壊と危惧する声さえ吹き飛ばす勢いがありました。
結果として(自分たちに都合良く)争点をはっきりさせた小泉流が、
あらゆる懸念で身動きしない良識よりも選ばれたのです。

僕はなんとかこの流れに抵抗する一票を投じましたが、
決して投票したい選択肢があったわけではありません。
環境を優先させて政治を考える「みどりの党」と違って、
今ある日本の政党は、何がやりたいのか見えないのです。
民主党はもちろん、社民党でさえ未来が見えません。
護憲というなら今はまだ憲法が変わっている訳じゃない状況で、
この状況が決して満足のいくものではないのだから、
それならどうあるべきかのビジョンを見せなくてはなりません。

小泉流は郵政民営化が進めば構造改革が進んで小さな政府が実現する、
そう訴えたのに対して、それ以上に魅力的なビジョンが他党に見えない。
民主党はそれ以上に魅力的な日本の将来を提示できたでしょうか?
社民党憲法と生活を守ってどんな改革を目指すのかを言わない。
共産党にいたっては最初から批判政党としての野党を目指している。
このままでは、たとえば憲法改正の議論が出てきても、
一旦は今回の自民党圧勝の揺り戻し的に抵抗があったとしても、
改革断行?に押し切られてしまう危惧さえあります。

小泉流の流れを本当に押しとどめるものは新しいビジョン、
今ある状況をしっかりと把握した上で、将来的にどうあるべきか、
社会学、哲学的なこの国のあるべき姿のビジョンだと思います。
その意味では、一矢報いたいとする天木さんの活動も、
共感はしても誰にでも合流できるような流れではありませんでした。
「平和への結集」にしてさえ、平和を否定する人はいません。
憲法9条を改訂しようとする人さえ平和を唱えるでしょう。
その上で何が争点になるのかを明確に把握しておく必要があります。

今回小泉流が「改革」をわかりやすい争点としたように、
どこまでも熟慮した上での、わかりやすい争点の提示があれば、
これからもう少し有効な戦い方が出来るんじゃないでしょうか?
平和というのは、沖縄以外の日本においては当たり前すぎます。
それを「守る」だけでは、何も良くなるはずがない。
今ある多くの問題がどこから発しているかを明確にして、
その解決策としての平和への結集になることを望みます。