政治分野における男女共同参画推進法
(参議院傍聴席での法律成立の瞬間)
今頃何を言っているのか?、と言う気もしますが、
民主主義の薄れた日本の国会で、16日に成立した法律は、
「政治分野における男女共同参画推進法」(候補者男女均等法)
とまあ、まさしく民主主義途上国を思わせる法律でした。
少し知恵があると思われるのは、当選者の数を均等にするのではなく、
候補者の数を均等にすることで、有権者優先にしたことでしょう。
日本において、女性の政治参画が進まない現状は、
世界的に見ても不思議な現象で、文化的な要因も関係している。
政治の世界ではいまだに、女性は男性の一歩うしろにいて、
ひたすら内助の功をアピールするのが、あたりまえになっています。
どうしてそんな演出をするのか、聞いたこともありますが、
文化的な理由と言うだけで、明確な説明とは思えませんでした。
さきがけて南砺市では、市民が作った「まちづくり基本条例」で、
審議会や各種委員会選任で、公募委員選任の義務化と同時に、
「男性または女性のいずれか一方の割合が7割を超えてはならない」
と明文化して、男女共同参画の推進を規定しています。
時代の流れは市民から始まっており、地方行政がそれに続いて、
国政はさらに遅れながら、それでも同じ方向へ向かっているのです。
せっかく多くの国民に選ばれていながら、この反応の遅さは、
もしかしたら、国民は男女平等なんか望んでいないのではないか、
と思ってしまいますが、結局は遅れているだけなのでしょう。
拘束力こそありませんが、こうした理念法が成立したことによって、
僕らの方向性が、間違っていなかったことを示してくれます。
さらに実効性を求めて、また何かアクションを期待しましょう。
さてそんな先進の条例を持つ、南砺市のまちづくりですが、
基本条例の精神である、協働のまちづくりはなかなか進みません。
市長と行政は、小規模多機能型のまちづくりと言い始めていますが、
自治振興会や婦人会、PTAなど多くの団体で意見を聞くと、
協働のまちづくりが、どうして小規模多機能でなければならないのか、
ましてサロンの必要があるのか、理解されないことが多いのです。
僕らは協働のまちづくり推進会議の、市民との情報共有部会で、
各地の末端の組織にお邪魔して、直接意見を聞くことを始めました。
そうした意見交換会でも、行政が何をしようとしているのか、
よく分からないという意見が多く、自分が何をしたいという人は少ない。
特に婦人会などで聞く女性の意見は、未来指向型が少ないと感じるし、
これでは政治参画が難しいのも、わかる気がするのです。
南砺市は豊かな自然風土に恵まれて、経済的にも恵まれており、
天災も少ないことから、現状に大きな不満はない人が多い。
少子高齢化による10年後、20年後の問題を考えようと訴えても、
今ひとつピンとこないようで、発言はやっぱり少ないのです。
しかしそれでも、未来に向けて女性や子供の視点は大切なので、
この不文律をどうすればいいのか、考えてみたいと思います。