八重桜
桜は7割がソメイヨシノ、と言われますが、
大量の木でなくても、種類が多いのは有り難い。
冬に早々と咲く寒緋桜、から咲き始まって、
早春の川津桜が咲き、ソメイヨシノが咲き始める。
そしてエドヒガン桜、コヒガン桜と順に咲き、
山桜、八重桜、枝垂れ桜と咲き続けるのが美しい。
井波周辺では、ソメイヨシノは色が薄いので、
エドヒガンや枝垂れ桜が、持て囃されたりもする。
だけど僕個人的には、八重桜がいかにも可愛く、
満開時には思わず見とれてしまう、気品もあります。
今朝は仕事をしていたときに、綺麗な八重桜を見つけ、
思わず仕事の手を止めて、この写真を撮りました。
枝振りも立派な木だったのですが、それ以上に、
青い空とのコントラストが見事で、見入ってしまう。
極端な寒さや大雪から、一気に暖かくなったと思えば、
またガクンと気温が下がって、キツく冷え込む。
これだけ寒暖の差が激しいと、桜や他の植物だって、
生命サイクルが狂いそうですが、それでもちゃんと咲く。
人間は複雑な生き物で、人間社会も複雑になって、
心も体も順調とは行きませんが、なんとか生きている。
どうせ生きるなら、活き活きと楽しい方がいい、
と思って暮らしても、思うようには楽しくできない。
そこをなんとか、身をよじらせて生き延びながら、
楽しいことを見つけたら、大いに楽しんで暮らせばいい。
なるべく気を大きく持って、小さいことに惑わされず、
「どうにかなるさ!」と思って、飄々と生きる。
これができれば、あとはどうにでも生きていけるし、
人間を含めて命あるものは、命を全うするがお宝。
生きる目標なんてなくて、生きることが目標で、
どのように生きたかで、何者かが決まるのでしょう。
何億稼いだとか、どんな正義に身を任せたとか、
いろんな価値観を信じて、人は頑張ってしまいます。
だけど特定の価値観というのは、すべて幻なので、
そんな満足は、独りよがりでしかありません。
あらゆる価値観には、それを否定する裏があり、
多様な価値観を認めることで、バランスが取れる。
バランスを取りながら、その状態を楽しんで、
今日また一日、明日もまた一日生きていけばいい。
その命を全うすることが、まず一番の生きる目標で、
生きていることこそ、目標そのものなのでしょう。
それ以上にできることと言えば、ただひたすら、
愛することしかない、と確信を持っているのです。