神々しい美しさ!

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朝夕の境界は、なぜか神々しく美しい。
まるで渾身の映画の、ワンシーンのように、
忘れられない色が、目の前に広がって、
僕は心を鷲掴みされたまま、追いかけた。
紡績工場の塔が、ちょうど左端に来たとき、
これがベストと思って、シャッターを切った。

最近は言葉が軽くなって、超絶どころか、
奇跡や神憑りと言った、日常的ではない表現が、
いたるところに、氾濫して使われています。
だけどそんな言葉に惑わされて、実物を見ると、
ちょっと綺麗か、よくある美しさでしかない。
なんだか寂しい世界に、なったものです。

それでは僕らは、何に感動すればいいのか、
神々しいまでの美しさは、失われたのかと思えば、
いつだって日常の中に、確かに今もあるのです。
そんなシーンに出会うとき、心は一気に加速して、
取るものも取りあえず、追いかけていって、
ポケットからスマホを取り、シャッターを押す。

こうした瞬間を、意図的に取ろうとすれば、
長い準備とロケハンが、必要になるでしょう。
撮れるとは限らない、気の長い待機をした上で、
何度かのシャッターチャンスを、逃さない。
それでさえも、うまく撮れたかどうかは、
現像してみなければ、分からなかったりする。

だけどこうした一瞬は、間違いなく訪れて、
僕らとは無関係に、美しい展開を見せている。
その一瞬を見るだけで、生きていることの意味が、
全部明らかになるような、そんな一瞬なのです。
すべての意味の源泉が、ここにあるような、
永遠を感じさせる、美しい光景でした。