花祭り
お釈迦様の誕生日を祝う、灌仏会ですが、
この日は花祭りとも呼ばれ、子どもたちが祝います。
どうして子どもたちの行事なのか、不思議ですが、
お釈迦様を産んだ摩耶夫人は、六つ牙の白い像の夢を見て、
そのあとに懐妊、出産されたと言われています。
そして生まれるとすぐに、四方に七歩ずつ歩いて、
やがて右手は天を、左手は地を指して唱えられたのが、
「天上天下唯我独尊」という、有名なフレーズです。
この言葉の意味は、いろいろとあるようですが、
「かけがえのない使命を持つ命を、生きていることを自覚する」
と言うような意味で、一般に理解されているようです。
またお釈迦様が生まれたときに、9匹の龍が現れ、
甘露の雨が降り注いだ、と伝説として言われてもいる。
こうした理由から、花祭りでは白像を引く稚児行列が行われ、
お寺では甘茶が振る舞われて、子どもの涅槃行事になっている。
子どもたちが町中で、白像を引き歩く姿はかわいいので、
観光客も集まって写真を撮り、結構な賑わいになっていました。
寺子こども園からは、何人ものお友達が参加して、
市の統合保育園からも、参加者があったと聞いています。
ただし市の保育園は、規模も大きく広範囲の子どもが、
集まってきている関係から、地域行事への参加は呼びかけない。
あるいは特定の宗教を応援しない立場から、お寺の行事も、
参加を呼びかけたり、しないのだろうと推測されます。
耐震性とか合理性とか、大人の都合ばかり優先して、
子どもたちの成長をどう見守るかが、置き去りにされている。
そんな気もするのですが、父兄の選択の余地も限られて、
寺子こども園に通う子どもは、まだまだ少ないのが現実です。
こうしたお寺の行事は、井波のシンポルとも言える、
瑞泉寺の行事なのですが、参加者は少なくなっているのです。
大人も子どもも一緒に楽しく、地域の行事に参加して、
その街の子どもたちを、住人みんなで育てていく心がほしい。
そんなことを考えながら、僕も写真を撮りに駆けつけます。
この写真では姫は隠れて見えませんが、頑張って全行程を歩き、
ほてった顔をして、満足げにお菓子を受け取っていました。