貴族的な暮らし?

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今からおよそ290年前の、1732年2月22日に、
アメリカ大陸のバージニア植民地で、ワシントンが生まれています。
アメリカ合衆国がイギリスから独立して、初代大統領となった、
ジョージ・ワシントンですが、彼の両親は中流郷士であり、
アメリカにおける、裕福で貴族的な暮らしをしていたと思われる。
それはどんな暮らしだったのか、読むとこんな感じでした。

幼少期からワシントンは、早起きの習慣を身につけており、
日が昇るのが遅い冬期には、未明に起床して身支度を整える。
それから蝋燭の明かりで事務作業をして、通信文などを書いて
地所の管理を紳士に相応しい、高尚な知的労働として熟す。
2杯の紅茶とバーター、そして蜂蜜を塗ったコーンマフィンで、
7時~8時に朝食を取り、それから馬で農園を巡回する。

午後1時半に巡回から帰ると、入念に髪粉をふるって髪を整え、
ロンドン仕立てのスーツに着替えて、2時の正餐に向かう。
緋色の壁紙に大理石の暖炉を切った部屋で、頻繁な客人も交えて、
銀の燭台が照らすテーブルにつき、白地に青の彩色をした陶磁器で、
牛肉、鶏肉、魚、農園の野菜、果物、ワッフルなどが並ぶ。
マホガニー製の箱からは、林檎酒、ラム酒、ワインが注がれる。

食事の後は読書や書き物で、書斎にはガラス扉の着いた本棚があり、
上流階級のたしなみとして、たくさんの本が所蔵されていた。
当時ほとんどの知識は、本を通して手に入れていたので、
こうした蔵書は、実践的な知識を得るためにも不可欠でした。
日が陰ってくるとランタンが照らされ、家族も客も応接間に集い、
トランプやダンス、流行歌を歌って楽しんでいたようです。

完全に日が暮れると、客人には軽い食事も出されましたが、
ワシントン自身は、夜は何も食べずに寝るのが普通だったようです。
この時代の貴族には、労働から自由であるべきで仕事をすべきでない、
とする考えもあって、身を滅ぼした貴族も大勢いたようです。
だけどワシントンはそうではなく、軍人としての名誉もありますが、
それ以上に農場主としての、土地の管理に精を出していたのです。

こうした当時の貴族の暮らしの様子を知ると、何のことはない、
現代人である僕の暮らしと、基本的には何も変わらない。
なるほど僕は、彼らのように広大な土地の所有者ではないけど、
夜明けと共に起きて、パソコンによって情報をチェックし、
軽い食事をしてから、午前中は3箇所ある田畑を回って農作業をし、
お昼に帰宅すると、ゆっくり食事をして横になるか家族と過ごす。

午後は主に友人たちとの交流や、家族と出掛けたりして、
市民活動などをするのも、こうした時間帯のことになります。
当時の貴族と比べると、圧倒的な明かりの違いによって、
夜の生活が多様になったことが、大きく違ってはいるでしょう。
だけど基本的には、僕は当時の貴族と同じような暮らしをしており、
お金はないのですが、やっぱり豊かな暮らしだと思うのです。

これ以上何を望むのか、しかも自然環境を壊してまでも。