面白い試み!

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最近僕自身は、あまり活動していないのですが、
これまでの市民活動によって、いろいろ連絡が来ます。
その多くは、興味はあっても参加するほどではない、
と思ってスルーしていますが、稀に参加することもある。
今回は「太陽が落ちた日」の上映会で、会場も興味があり、
なんとか都合をつけて、定刻より早く行ってみました。

高岡市の大仏に近く、古城公園の入り口にも近い、
昔なら一等地と思われる場所に、大菅商店と言うのがある。
その商店が会場で、なかなか見られない映画の上映会、
と聞いたので、これは是非一度行って見たいと思ったのです。
広島と福島の被爆を繋ぐ、映画も見てみたかったし、
高岡の商店街で、古民家利用の様子も見てみたいと思った。

しかし心配したとおりに、古い商店街の中には、
駐車場がありませんし、有料の駐車場に入れるしかない。
そこで僕は古城公園まで行って、車を停められる所を探したら、
結局は商店街とは反対側まで行って、ようやく見つけました。
そこからだと10分以上掛かりますが、公園を歩くので、
それも良いかと思って、春を探しながら会場まで歩きました。

行く前には、かつて商店だったところを閉店して、
空き家を市民活動の拠点にして、イベントをやっている、
と想像していたのですが、どうやらそうではなかったのです。
古い土蔵造りの家で、家主は東京で暮らしていたのを、
3.11の大震災と福島事故を見て、故郷に帰ることを決め、
それ以来お店経営をしながら、市民活動もやっている。

お店の前には、目立って「大菅商店」の名は無いので、
思わず通り過ぎてしまいそうな、目立たない商店なのです。
扱っているのは、日常の生活に使う手作り商品で、
これも取り立てて宣伝するような、目立つものではない。
だけど堅実そうな品扱いで、自然農で使えそうな、
ブリキのジョウロや、菅笠なんかも並んでいました。

結局時間が無い状態になって、大菅さんと話は出来ず、
最後はバタバタとお店を後にして、大急ぎで次の会場へ。
映画の感想などを、述べあう時間もあったのですが、
いのくち椿館での、別の上映会お手伝いを予定していたので、
大菅さんの話を聞くのは別の日にして、車を走らせました。
最後に簡単ですが、「太陽が落ちた日」の感想です。

広島の原爆投下後に、医療にあたった医師たちの中で、
最後の生き残りと思われる人の、インタビューが強烈です。
アメリカの占領統治によって、被曝者の治療をして良いけど、
記録を残してはいけない、と固く命令されていた。
しかもアメリカによる被害検証は、直接爆弾による被害で、
後の被曝による被害などは、一切無視されたと言います。

これはどういうことかと言えば、爆発での被害ではない、
高い放射能に接した被害、あるいは内部被曝による被害は、
最初から想定されてもおらず、調査もしていない。
さらに言えば、原爆被害調査には出てこないことは、
「なかったこと」として、処理され続けてきたというのです。
政府が内部被曝を軽視するのは、そうした理由からなのでした。

この問題は鎌仲さんが取り上げ、原発事故の前から追跡して、
劣化ウラン弾被爆被害など、問題提起をされてきました。
しかし政府はアメリカの言いなりで、国民に原発神話を植え付け、
その後に何が起きたかは、すでに皆さんが知るとおりです。
内部被曝の危険性は、現在も変わらずにあるわけで、
中途半端な避難指示の解除は、住民の不信と分裂を招きます。