鶴仙渓遊歩道

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山中温泉の案内マップは、全体を紹介するマップの他に、
鶴仙渓遊歩道」と、「ゆげ街道」の詳細が載っています。
どちらも面白かったのですが、今日は僕がお気に入りの、
鶴仙渓遊歩道の方を、ご紹介しておきましょう。
全体としては、グランドホテルに近い黒谷橋の下から、
鶴仙渓に沿ってコオロギ橋の下まで、1.3キロあります。

4歳になったばかりの姫に、この距離+宿までの往復は、
少しキツいかも知れないと思い、2回に分けました。
到着した日に半分と、翌日に残り半分を歩いたのですが、
結局は同じくらいの距離で、町中歩きもしています。
姫は最後にはバテて、おんぶに抱っこになりましたけど、
実際によく歩いたので、頑張ったと言えるでしょう。

さてこの鶴仙渓は、さほど期待していませんでしたが、
歩いてみると気持ち良く、うまく整備された遊歩道でした。
ちょうど中程に「あやとり橋」があって、これも面白く、
どんな理由でこんな橋を作ったのか、興味深いところです。
たぶん合理的な理由よりは、遊び心のような感じで、
いかにも温泉地の風情が、色濃く感じる場所でもある。

残念ながらこの渓を望む宿には、廃業したものもあって、
朽ちていくコンクリートの姿も、見せられてしまう。
それも現代の風情であり、苔むした遊歩道の風情とは、
また違った趣があって、決してイヤな感じではありません。
むしろもしもこれが、ずべて繁盛している宿ばかりなら、
腹膨れる思いで、興ざめしていたかも知れません。

自然とうまく調和した風景は、時代の盛衰にかかわらず、
味わい深いものがあるし、このまま長く愛されていただきたい。
僕が紹介した左上にある写真に、見えている橋コオロギ橋は、
全体が総檜で作られており、山中温泉を代表する名勝地でもある。
と言うのは、この辺り一帯の渓谷が四季折々に美しくて、
橋はその美しい景観を観るためのもの、でもあるのでしょう。

姫にはちょうど良い散歩道で、たぶんお年寄りにも、
無理なく歩ける、自然の中の貴重な散歩道になっている。
客層はお年寄りから、若いカップルや家族連れに学生風情まで、
様々な層がまんべんなく歩いていて、ほほえましい感じです。
一般の町中でもこうなら良いのですが、今の町中風景には、
こうした世代間の境目のない姿は、珍しくなっていると思います。

様々な多様性が大切であるように、年齢層も多様な方が、
個々人の個性が活かされるし、それぞれの役目もわかりやすい。
あらゆるすべての人が、自分を活かして暮らすには、
年齢も考え方も多様な方が、自己肯定感も豊かになる。
山中温泉の温泉街には、何かその多様性があるように感じ、
加賀の温泉街の中では、一番お気に入りの場所になりました。