沖縄と韓国

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金城実の作品

いわゆる従軍慰安婦被害を象徴する、と言われる少女像を制作した韓国の彫刻家が、
韓国の市民団体の企画で沖縄県を訪れ、平和記念公園や佐喜眞美術館などを見て回りました。
従軍慰安婦問題に関しては、ベトナム戦争時における韓国軍の女性蹂躙はどうなのか、
複数の報道を見ても事実だったと思われるのに、謝罪や補償などは聞いたこともありません。
それなのに日本の問題だけは執拗に追求する行為は、何か不自然な感じがして、
本来の問題以上に、何かにつけ日本をあげつらう韓国の人々に違和感を感じてしまう。

しかもこの問題は国と国のレベルで、一度解決したはずなのにまた再燃しているので、
こんな状態が続くなら、今後は何も解決できないのではないかと勘ぐらざるを得なくなる。
その少女像を造った彫刻家の金運成(キムウンソン)さんが、沖縄を見て回った後で、
何よりも大事なのは、元慰安婦の女性の気持ちだとインタビューに答えています。
「自分たちの子どもたちの未来のために闘うハルモニが亡くなる前に、きちんとした
 謝罪をして欲しい」と言うわけですが、この向かっているところがよく分かりません。
人権こそが問題なら、日本の従軍慰安婦と同じように採り上げる問題は多々ある。

たぶん彼らは政府間の合意に不満なのでしょうが、従軍慰安婦などの人権蹂躙が問題なら、
どうしてベトナム戦争当時の、韓国軍による大量の強姦や慰安婦を問題にしないのか。
韓国ではほとんど報道されていないので、知らない人が多いのは事実でしょうが、
それならそうした報道しかしない韓国マスコミも、批判の対象にならなければいけない。
外国とのことは政府が処理するしかないので、問題にしないと言うならそれでもいいのだけど、
それならそうで現在の日本政府と揉めるのは、日本人の対韓感情を悪くするだけでしょう。

そして今回彼らはなぜ政府のある東京ではなく、日本国内でもわざわざ沖縄へ行ったのか、
それにはもちろん意図があるわけで、国境を越えた被差別の意識がありそうです。
朝鮮半島も沖縄も戦争が続いている。芸術家として、平和の懸け橋になる活動をしたい」
と言うのがそれで、沖縄の反戦彫刻家である金城実さんのアトリエも訪問しているようです。
だけど金城さんは戦争自体を批判していても、アメリカ政府を批判しているわけではない。
アメリカ軍による日本支配を象徴するような沖縄で、沖縄も韓国も差別を受けている、
と訴えるのも分からないではないけど、それ以上に不明瞭なのが当事者の不確かさでしょう。

今や日本政府と沖縄は明らかに対立しており、裁判闘争や批判の応酬もあるけど、
この対立はあくまで、アメリカ支配による治外法権に対する抵抗がバックにあるのです。
日本政府はアメリカ政府に対して、決めたことは守らなければならない責任があって、
それを実行することが沖縄を苦しめても、沖縄は分かっているから政府と対立するのです。
韓国の慰安婦少女像を巡る問題は、韓国政府が当事者としての責任を持たないために、
日本国政府にとってさえ、誰を相手に交渉すればいいか分からないところが問題なのです。