軍事化する先島諸島

イメージ 1

日本最西端の与那国島には、今年3月に陸自駐屯地ができました。
人口1500人ほどの島には、家族を含めて200人以上の人が移住し、
税収も大幅に増えて、かつての賑わいを取り戻したような活気です。
この島に陸上自衛隊の150人が、配備されたからと言って、
さほどの戦力とは思えませんが、高性能のレーダー基地があるので、
中国の動向を監視するには、大きな力になるのでしょう。

この何年かの与那国町民は、陸上自衛隊の駐屯に対して、
賛成派と反対派に別れて、反目を続けてきたと聞いています。
それでも議会の過半数、住民の過半数が賛成したことによって、
計画は一気に進み、かつて無い島の改造が進みつつあるようです。
この島へ最後に行ったのは、もう10年以上前のことになりますが、
小さめの与那国馬が闊歩する、のどかな南国の島でした。

それが今では、島民の15%が基地の住人という島になり、
近代的なレーダー基地や、陸自の駐屯地が幅をきかせ始めている。
島の副町長を陸自の人にしてはどうか、などの提案もあったようですが、
さすがにそれは、島の自治権に関わるとして却下されたようです。
経済と戦争は密接に関係して、中国が経済発展を遂げた以上、
利権拡張のために軍事化するのは、やむを得ないのでしょうか。

歴史を見ればいつだって、経済拡張の上に戦争があったし、
市民は欲に駆られて、破滅するまで突き進むのが通例のようです。
この場合誰が勝者になろうが敗者になろうが、同じことで、
弱い市民はいつだって犠牲になり、取り返しのつかない悲劇を生む。
だからこそ戦争はやってはいけない蛮行であり、国家は全力で、
そのような事態にならないように、全力で努力するしか無い。

わかっているのに、目の前の軍事化は止められないし、
その結果に何が起きるかは、多くの人が知っているとおりでしょう。
与那国に陸上自衛隊が配備されたと思ったら、次は石垣島で、
こちらは海上自衛隊が港を大きくして、艦艇を増やし続けています。
石垣島でも陸自を呼ぶ決議が出たようで、市長はまだ明言しませんが、
やがて駐屯地ができることは、誰も止められないのでしょうか。