日米地位協定と女たち

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この数年来、旧日本軍による従軍慰安婦があったとかなかったとか、
強制的に慰安婦にさせられたとか、本人が選択したことだとか議論があります。
その議論の一番手である韓国でも、海外へ派遣された韓国軍のレイプ問題があり、
国連軍であったフランス軍人が、アフリカで婦女暴行していたと暴露されている。
実は人類史上において、武力が行使されたところならどこででも、
女たちは生き延びるために、男のレイプを受け入れてきたと言っていい。

多少真実を見る勇気がある人なら、誰でもわかっていることですが、
それを政府が問題にすれば、ボロはどれだけでも出てくると言うことです。
そんな戦争の真実の一つである、女たちの実情と被害を言うなら、
戦後一貫して問題になっている、日米地位協定なども同類だと思います。
この協定の内容に対して、他国の内容よりも有利になっている、
と発言をしている自民党議員もいるようですが、それで国益が守れるのか?

同じように米軍基地を受け入れている、ドイツ、イタリア、韓国と比較して、
環境汚染一つを取ってみても、日本だけが自治体による基地立ち入りができません。
基地の施設にしても、日本では完全に米軍による基地管理権があって、
基地が返還された場合でさえ、その土地が汚染されていても保証する義務がない。
ドイツでは返還後の環境浄化責任があるし、イタリアでは米軍の行動を中止できるし、
韓国だって浄化責任をを義務づけしているのに、日本はまったく何もない。

敗戦国だから仕方なく、アメリカの言いなりになっているのでしょうが、
すでに敗戦から70年が過ぎているのに、この状態が変わらないから驚きます。
要するに戦後の支配が、当然のように続いているわけですから、
市街地上空の管制圏もアメリカの言いなりで、女たちの身の安全も危うい。
そもそも戦争は、女を取るか取られるかで争ってきたものですから、
勝てば女は俺のもの・・・みたいな感覚が、原始的にあるのでしょうか。

実は沖縄に限らず、女性がアメリカ軍の軍人軍属にレイプされた場合、
警察は事件として扱ってくれないし、捜査もしてくれなかった歴史がある。
横浜の米軍基地においても、こうした問題は何度も隠されてきており、
日本のマスコミは、不思議なほどにこの問題を本気で扱ったりしないのです。
僕はたまたま映画で見て知っていますが、ほとんどの人は知らないし、
どちらかと言えば関わりたくない、と言うのが本音なのでしょう。

実は1995年の運用改善によって、レイプに関しては起訴前身柄引き渡しが、
可能になってはいるのですが、それはあくまでも解釈次第の運用でしかない。
その後15年間に起きた、全国で35件あった女性暴行事件のうち、
逮捕されたのは5人だけで、30人は不拘束になっているのが実情です。
これもすべて日米地位協定の問題であり、沖縄だけのことではないのに、
日本人はあまりにも米軍にお人好しで、アメリカにもてあそばれているのです。