海亀と遭遇

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今年は15日間海辺に滞在しながら、姫がついてくるので、
僕が自由に泳げたのは、3回だけだった気がします。
その3回のうちで、カメラを持って泳げたのは1回だけで、
そのとき久しぶりに、水中での写真を撮ってきました。
しばらくぶりの水中写真は、うまくタイミングが合わないし、
水中での待機も感がつかめず、良い写真は撮れません。

そんな中で、なんとか人に見せたくなるような写真は、
海亀との遭遇で撮ったもので、けっしてファインショットではない。
それでも水中写真というのは、物語性が必ずあるものですから、
今回はこの写真を持って、代表的な水中写真としておきます。
と言うのも今年は、久しぶりに海亀の産卵上陸らしい足跡を見て、
その後に見た亀影だったので、思うことも多かったのです。

僕が初めて海亀を見たのは、やっぱり平野のアウトリーフで、
もう30年ほど前でしたが。まだ水中カメラは持っていませんでした。
水深5~10メートルほどのリーフ棚で、周囲を見ていたら、
一匹の亀が珊瑚棚の割れ目を覗き込んで、何かしているのを発見。
僕に気づいていないようだったので、大きく後ろから近づいて、
そのまま甲羅にタッチしたら、亀は振り向いて慌てて逃げていきました。

それ以来海亀のことは気に掛けて、大好きな海洋生物の一つですが、
キューバで何度か見た以外は、出会うこともなくなっていたのです。
平野の海岸でも、昔は産卵に上がってくる亀が数多くいたと聞きますが、
僕が平野に来るようになってからは、数回足跡を見ただけです。
それを今年は久しぶりに見て、気になっていたところで、
アウトリーフへ出たときに、向こうから近づいてきたと言う訳です。

ナポレオンフィッシュにしても、様々なアジにしても、
比較的大きな魚は、好奇心があるのか人がいると見に来ます。
僕がお気に入りである、アジの群れが近づいてくる写真は、
一度出会ったアジが、必ずもう一度近づいてくると予感して、
近づいて来やすい場所へ移動して、カメラを構えて待っていた。
そこへ思惑通りにやってきたカスミアジを、うまく撮ったものでした。

お気に入りの水中写真の何枚かは、このブログでも紹介して、
シュノーケリングでも、面白い写真が撮れることを示してあります。
ロウニンアジとの遭遇写真とか、オニカマスと近距離で出会って、
慌ててシャッターを押したら、大きな目玉しか映っていなかったなど。
水中写真の思いでは多いし、それにまつわる話も多々あるけど、
この数年は、すっかり遠ざかっていたと言うことです。

40年を超える平野の海の思い出で、海亀と水中写真も、
大切なものであるし、今では懐かしさもひとしおにあるのです。
この平野の浜に、また海亀の産卵はあるのかどうか、
確認してみたいものですが、2週間程度の旅では叶いません。
沖縄が日本に復帰して、やがて半世紀になりますけど、
失われたものは還ることなく、忘れ去られるのかもしれません。