駆けつけ参戦!の大佐が大臣になる日

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日本を美しい?経済軍事大国へ、と向かわせたいアベノ独裁内閣が、
初めて自民党総裁となった年に、初めて国会議員となったヒゲの大佐は、
イラクゴラン高原派遣輸送隊長として、自衛隊の海外派兵に参加して、
SATO橋を建設指揮した、優秀な軍人と言っていい人でした。
彼は帰国後の質問に、「駆けつけ警護(参戦)したかった」と発言し、
宣戦布告しないでも戦争を始める道筋を、明確に示した軍人ですが、
当時はそれをさせなかったのが、日本独自の法律だったのです。

あれから10年間に、この軍人は国政の参議院議員に立候補するや、
安定した多くの投票を得て当選を続け、自民党参議院政策審議会副会長、
防衛大臣政務官などを歴任して、今回の自衛隊強行採決においても、
重要な役割を果たしたことは、ニュース映像を見ても明らかです。
彼の政策は自衛隊による海外派遣で学んだことが、ベースになっており、
自衛隊を国軍化、・憲法9条を改正、・集団的自衛権を行使、
核武装を検討、・村山河野談話の見直し、・TPP参加に賛成、
と言った方針は、アベノ独裁と同じ方向を向いているのです。

この人物はやがて防衛大臣になり、日本の政権中枢に陣取って、
この国が進む方向を決める、重要なキーマンになるのでしょうから、
僕はずっと見守っていくつもりですが、この人の正しさを認めながらも、
何か決定的に大切なものが、抜け落ちていることを危惧してもいます。
多くの国民が彼を支持している理由の通り、目の前の現実に対して、
このままではいけないから、何かをしようとするのはいいのだけれど、
単に目の前の事態に整合性を与えるだけで、もっと大きな視野から見て、
今の何かを忍んでも守り通す、大きなものが見えてこないのです。

こうした目先の正義の暴走に対して、見失いがちになる大きな正しさ、
百年2百年を経て作られる正義は、千年2千年のスパンで見える、
ある種の人類の夢にまで繋がる、おおいなるものであるから、
それが何かは、誰もがいつも考えていなければならないのです。
そのヒントは神事にあり、日本には八百万の神々がおわしますから、
神事にあることの意味を考えれば、大概のことは見えてくるし、
例えば神事を重んじる天皇家を見れば、日本と日本人が何を守り、
どんな国造りを目指すべきかが、見えてくると思うのです。

駆けつけ参戦の大佐の正しさは、間違っていないのでしょうが、
その正しさは小さく、国の将来を託すには心許ないものだと感じるし、
この正しさが大臣になり、多くの国民の支持を得るときには、
何か胸の詰まる閉塞感を感じるような、危惧を覚えてしまうのです。
僕らはもっと根元的な価値感において、何を求めるのかを考え、
普段からそのための国造りをすることで、危機対応もできる、
自然災害においても軍事的脅威においても、即応ができるのです。