シリア空爆は自衛権?

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アメリカによるイスラム国攻撃は、地上戦をイラクとシリアに任せたまま、
空爆を強化することで、ほぼ本格的な戦争状態に入っているようです。
シリアの首都ダマスカス周辺でも、空爆によって100人以上の人が亡くなり、
その半数は一般市民だったと、英国の人権監視団が報告しています。
エスカレートする紛争は止まることなく、アメリカ空軍の本格的な作戦が始まる。

既にアメリカの大統領は、「容赦ない作戦」でイスラム国を打倒すると言い、
イラクからシリアにまたがるイスラム国で、大規模な空爆を開始しているのです。
こうしたアメリカ軍の攻撃には、どのような正当性が認められるのか、
と疑問に思っていたら、アメリカは「自衛権の行使」をするのだと言います。

「今回のように、脅威が存在する国が、自国領土をテロ組織に使われることを
 防ぐことができず、その意思もない時には、加盟国は自衛できる」と言うのですが、
こんな理屈がまかり通るならば、今のような国際テロの盛んな時代で在れば、
アメリカは自国の自由にならない世界のどこへでも、武力攻撃ができることになる。

日本だって例外ではないから、アメリカと軍事的手を結ぶ同盟国として、
集団的自衛権を認めてしまうなら、世界中のどこででも武力行使が必要になる。
つまり今回の空爆開始に対して、オバマ大統領が言う「自衛権の行使」と認めるなら、
日本はアメリカと共に、限りなく戦争に近づいていくことになるでしょう。

アジアに吹き出している領土問題や、再びロシアを封じ込めたい欧米によって、
世界は今世紀も戦争の時代を継続して、大勢の人が亡くなっていくでしょう。
さらに空爆をするシリアでは、アサド政権自体が反体制派の攻撃対象になっていて、
イスラム国と共にアサド政権も倒さないと、問題は解決しないとしているのです。

このような混沌としたシリア情勢が、空爆で解決しないことは明らかですが、
アメリカはイスラム国を阻止したいと同時に、自国の兵士を死なせたくないのです。
こんな都合の良い作戦が成功するとは、誰も思っていないと考えられるのに、
なぜどうして本格的な空爆を開始してまで、アサド政権を支えようとするのか?

中東でもバルカン半島でも、すでに武力行使でたくさんの犠牲者を出しながら、
口勇ましい政治家たちは、さらなる紛争を望んでいるかのように振る舞っています。
危険な火遊びは始まっており、日本は新たな方針によって武力行使をすれば、
戦争の足音は限りなく近づいて、また大勢の人が失われていくでしょう。
そんな時代にしないためにも、僕らは自らの生き方を正したいと思うのですが・・・