菖蒲祭りが終わり

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高瀬神社の近くにある、平安時代の遺跡周辺では、
毎年この時期には、菖蒲祭りが行われています。
今年も21日(土)と22日の両日、行われたようですが、
僕は行けなかったので、今日はその菖蒲だけでもと思い、
家族3人で農作業をした帰りに、立ち寄ってみました。

祭りでは何かイベントがあったようで、組まれた舞台が、
まだそのままになっていましたが、人の姿はほとんどない。
静かな遺跡庭園の佇まいに、大輪の菖蒲だけが咲き誇っており、
なんとも言えない、贅沢でみやびな風情を醸し出していました。
菖蒲を楽しむには、水路のある大きな庭が必要ですから、
平安朝の頃には、ステータスシンボルだったのかも知れません。

水路の微妙な曲線が、味わい深い変化を見せており、
見る場所によって、見える風景が違うのも風情があります。
昔の人たちには、映画もテレビもありませんでしたから、
こうした変化を愛でて、味わいを競い合っていたのでしょう。
砺波平野の田舎では、競うほどの相手もいなかったでしょうから、
この荘園お屋敷が、この地のステータスだったと思われます。

この荘園には、松や柳などの木がうまく配されており、
近年に整備したものとしても、その心には当時の感性を残し、
少しでも再現しようとしたことが、随所に感じられました。
屋敷跡は完全に遺跡状態で、建物は無くなっており、
その基礎石だけがあって、いかにも日本らしい遺跡です。
当時の風景が、そのまま再現できたらすてきですね。

昨日一日雨が降ったので、今日は緑が鮮やかでしたから、
この写真も全体に、けっこういい感じで写っていると思います。
高瀬神社や井口の眺めのいい田園地帯など、この地域には、
庄川小矢部川の氾濫地帯から逃れ、自然災害も少なく、
豊かな穀倉地帯として、古くから大切にされてきた地域です。
井波の瑞泉寺も、そうした土壌にできたものでしょう。

僕らは千年の時を越えて、豊かな自然を守りながら、
穀倉地帯として、都の雅も取り入れてきた歴史があります。
こうした風土を大切に、将来の子どもたちにも残したい。
そんな思いがあるから、様々な市民活動をしながら、
自分の暮らしや生き方を、求める喜びだってあるのです。