旅する季節

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毎年この季節になると、どこかへ行きたくなります。
それは20代の頃の習性というか、当時の僕はフリーターで、
まだフリーターという言葉さえなく、アルバイトをして、
お金が貯まると旅をする、旅が中心の暮らしをしていました。
およそ9月~3月は、NHKや印刷会社でせっせと働いて、
4月になると、そのお金を持って旅に出ていたのです。

旅はたいてい3~5ヶ月間程度で、現地で仕事が見つかると、
そのまま1年以上、滞在して暮らしたこともあります。
特に賄い付きの仕事はありがたくて、ロサンゼルスにいたときは、
そのまま永住権を取るために、調理師の免許を取りに戻り、
戻ってみると日本の魅力を感じて、そのまま戻らなかったり、
かなり危なっかしい旅も多くて、今だからこそ笑えます。

そんな旅の中でも、沖縄は特別にお気に入りの場所で、
沖縄が日本に復帰してから去年まで、沖縄へ行かなかった年は、
3回しかなかったように、記憶しているほどです。
最長は1年半滞在していましたし、最短でも10日間ほどで、
20代後半には、4月中旬に行って8月末に帰ってくる、
そんなパターンが、当たり前になっていた時期もありました。

宮古八重山にある沖縄の離島は、ほとんど回りましたが、
当時一番気に入っていたのは、上地と下地がある新城島でした。
片方にはヤマハの「はいむるぶし」という、リゾートがあるので、
僕らは牧場しかない方の島に行って、泊めてもらいましたが、
そこは10時を過ぎれば電気も止まるので、星空がすばらしい、
しかも余計な動力の音がないので、ほんとに気持ちのいい場所でした。

この写真は、そんな牧場の建物に泊まったときに撮ったもので、
庭木の手入れが面白いし、それだけではない興味深いものもある。
どんな田舎でも、あるいは田舎の自由さがあるからこそ、
独創的な楽しみを持つ人はいるもので、その一つがここでした。
しかもこの島の回りは、それはそれは珊瑚礁が美しかった。
今ではその珊瑚礁も死滅して、まったく行かなくなりましたが・・・

子育てが終わり会社を辞めてから、旅を始める人もいますが、
やはりどうしたって、20代の頃のようには体も動かないのです。
無理も利かないし、結局はお金に頼る旅をするしかないのでは、
それはツアーではあっても、やっぱり旅ではない気もします。
それでもまだ元気なうちには、姫と妻を連れてあちこち行きたい、
いつかそれが僕の、最後の旅になるのでしょう。