ウグイス

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我が家の庭には、大きな木が2本あって、
それだけなのに、小鳥たちがやってきます。
長いあいだ手入れもしないので、枝が伸びて広がり、
小鳥たちには、恰好の羽休みの場所なのでしょう。
そして嬉しいことに、毎年春にはウグイスがやってくる。
姿を見ることは滅多になくても、鳴き声はよく通って、
家の中にいる僕らにも、聞こえてくるのです。

ウグイスは、美しくさえずる鳥として知られ、
オオルリコマドリと共に、日本三鳴鳥の一つです。
しかしこの二つは渡り鳥で、日本を離れますが、
ウグイスだけは、一年中近所にいるのが嬉しいですね。
しかも2月の初鳴きの頃には、まだ不器用な鳴き方なのが、
4月5月と上達して、次第に美しく鳴くようになるので、
その変化がまた、僕らには嬉しくなってくるのです。

井波の町は古く、以前は木立が多かったので、
僕の子どもの頃は、裏庭から自然の林が続いていました。
今は宅地化が進んで、裏庭も家に囲まれてしまい、
自然も区切られて、遠くへ続く感じではありませんが、
それでも風は通ってきて、我が家の中を通り過ぎる。
この風が夏の我が家を涼しくするので、冷房は要らないし、
春から夏にかけて、気持ちよく昼寝が出来るのです。

暖房の音が消えて、静かになった我が家の中に、
ホーホケキョの声が響き、僕らは耳を澄まして聞くのです。
最初はケキョケキョとか、ホーケキョとか未熟ですが、
何度も鳴くうちに、やがて上手に美しく鳴くのです。
異常気象だ何だと言いながら、こうして今年もウグイスが鳴き、
去年と同じに季節は巡って、また春が来て夏になります。
この当たり前がありがたくて、自然を大切にしたいと思うのです。

僕はもう二度と、東京に住みたいとは思いませんが、
日本中に東京文化を拡散して、若い人が引かれていけば、
そのパワーそのものが、都会を賑わせながら田舎を衰退させる。
だけど実は自然豊かな田舎の方が、人を幸せにする要素が、
たっぷりと詰まっていることは、すでに多くの人が知っています。
小鳥のさえずりを聞きながら、野生の草花と共に暮らす、
恋も家族も、自然の中で自然に育つと思うのです。