追っかけ

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秋は収穫の季節で、稲作業は忙しいのですが、
さらに輪を掛けて、イチゴの仕事が入っています。
おかげで朝から晩まで、何かしら動いていると、
次第に疲れが溜まってきて、刺々しくなる。
なるべくそうならないように、努力していると、
姫がやたらと、追いかけてくるようになりました。

冷たくすると、なんとなくよそよそしくなって、
一緒になって、遊んだり話したりすると喜んでくれる。
姫を見ていると、僕の今の状態がわかるので、
姫がさみしそうだと、僕は反省しなければなりません。
だけど疲れていると、つい相手をするのも辛くなり、
ついつい冷たい態度に、なっているこがありそうです。

そこで考えることをやめ、姫と一緒になって、
ただ心を通じ合わせることに、集中していると、
気が楽になって、心が軽くなってきます。
そんな状態で姫を抱いていると、抱いていながら、
抱かれているような、幸せな気持ちになって、
姫が逃げ出すくらい、強く抱いたりするのです。

しばらく出掛けていて、帰ってきた時など、
まず目と目が合って、様子をうかがっています。
僕が姫を受け入れて、彼女の感性に心を合わせると、
それはもう全身で、喜びを表現してくれます。
今ではハイハイしながら、どこでも行けますから、
僕がすわって手を出せば、勢いよくやってくる。

面白いのは、そうして飛び込んできそうなものを、
直前で止まって、僕の方から抱かせようと手だけ出す。
そのしぐさが可愛いので、もちろん抱き寄せるのですが、
このときの幸せは、姫の喜びでもあるのでしょう。
幸せとは何なのか、たったこれだけのことが、
人生の意味さえ、教えてくれる気がするのです。