さがり花

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宿のある平野を含め、石垣島の北端は、
平久保という、住所地名になっています。
そこには三つの集落があって、そのうち一つは、
住む人がいなくなった、いわゆる廃村です。
今は小学校のある平久保と、僕がひいきの平野と、
二つの集落が、ひっそりと息づいています。

石垣島の市街地から、車で1時間以上掛かるので、
平久保へ人が来るのは、灯台を見に来る人だけでしたが、
今年は少し、事情が違ってきていました。
と言うのは、JTAの機内誌「コーラルウエイ」に、
“さがり花”の名所として、平久保が紹介されて、
この花を見に来る人が、今年は急に増えたのです。

さがり花は、以前には西表島の専売特許で、
夜明け前に川を上り、夜明けと共に川面に落ちる、
花の群生を見るのが、幻想的で魅力的でした。
ところが平久保の群生地では、川を上らなくても、
車で行ける場所に、たくさんのさがり花があるのです。
川面に浮かぶ花ほど幻想的じゃなくても、人は来ます。

去年も見ることは出来たのですが、道が整備されて、
見やすくなったと聞いたので、僕らも行ってみました。
あまりにも簡単に見られるのは、つまらなくもありますが、
やっぱり美しい花なので、大勢の人に見てもらいたい。
と言うわけで、僕も写真に撮ってきたので、
その中の一枚を、アップしてお見せしておきます。

沖縄のような南国では、日中は暑すぎるせいか、
夜咲く花は多くて、ドラゴンフルーツの花なども、
夜しか見ることの出来ない、とても大きくて優雅です。
ハイビスカスやブーゲンビリアは、どこにでもあり、
内地では見られない花を、何か見たいと思ったら、
さがり花は、絶好のターゲットでしょう。

たくさんの花が、次々に夜に花開いて、
一晩咲いたら、夜明けと共に次々に落花する。
桜の花よりも潔く、夜明け前に来た人にしか見られない、
これが有名になって、平久保は少し知られるようになりました。
だけど僕としては、通りすがりの観光客だけでなく、
生活を楽しむ人に、ゆっくり来て欲しい平久保なのですが・・・