“よへさ”へ

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高岡市伏木の“よへさ”から、毎年恒例の花見の案内があり、
思い切って、姫を連れて車に乗って行ってきました。
姫を連れての遠出は初めてですが、もうすぐ3ヶ月になるので、
そろそろ遠出をしても、大丈夫だろうと思った次第です。
季節は春爛漫の、道すがらの桜も満開で絶好のお日和でした。

よへさの桜は、この数年にわたって毎年見ていますが、
花見の案内に合わせて行くと、たいがい満開よりは少し遅れて、
おおきな垂れ桜は、すでに葉を交えて花びらが散っています。
それが今年は、散った花びらもほとんどない状態で、
葉もまったく出ていない、完璧に満開の美しい状態でした。

あまりに見事だったので、妻と姫を一緒に桜の全身を一枚、
すでに老木と言っていいほど、年月を経たしだれ桜なのですが、
多くの桜の古木がそうであるように、花は不思議と美しい。
年を重ねることで、美しさに磨きが掛かったように煌めいて、
いのちの価値を総身に表そうと、思いきった感じがします。

家に入ると、いつものように古いお屋敷の部屋には、
五嶋直子さん作の、品のよい藍九谷がずらりと並んでいて、
部屋の中央には、黒い水盤にこれまた見事な椿です。
こんな大きな椿の花が、萎むことなく散ってしまうのも、
桜の花と同じですが、大きくて重いので散り方が違いますね。

はらはら散る桜の花びらに比べれば、椿の花はぽとりと落ちて、
何やら風情に欠けると言う人もいますが、こうして飾れば、
これが自然の姿とまごうほどに、違和感なく美しく見えるのです。
姫はどんな人になって、どのような人生を過ごすのか、
まだ三ヶ月にも満たないのに、30年後に思いを馳せます。