安曇野行

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大切に思っていたブログは、すっかりCMに占拠されて、
これはもう面積の話ではなくて、派手な色や動画によって、
人間の本能的な反応を押さえますから、どうにもなりません。
そろそろYahoo!ブログにも、見切りを付けるべき頃かなと思い、
ブログを続けるかどうかも含めて、検討を始めています。
なにしろ優秀な若い人たちが、生活のために寄ってたかって、
少しでも訪問者を増やそうと、知恵を絞る広告ですから、
僕ら素人の一個人が、この力に対抗できるはずもないのです。

先月はそれでなくても忙しかったので、今月に入ってから、
少し息抜きに、安曇野まで足を伸ばす計画を立てていました。
それを11日12日と、一泊二日で行ってきたのですが、
ついつい欲を出してしまい、忙しい二日間を過ごしてきました。
朝早くに家を出て高速に乗り、親不知のあたりから一般道で、
大糸線沿いに白馬経由で、安曇野方面に向かいました。
目的の一つは、農的暮らしを発信する舎爐夢ヒュッテでしたが、
そこまで行く途中に、ちひろ美術館へ寄ろうと思ったり、
ついでに絵本美術館とか、ジャンセン美術館と寄り道をして。

当日は舎爐夢の農作業の日で、それを見たくもあったのですが、
天気が良くないのと、本格的に農作業に参加する準備もないので、
舎爐夢ヒュッテでランチを食べて、様子を見るだけにしました。
それでもいくらか様子はわかるし、どんな雰囲気なのか見るだけでも、
今回の安曇野行きの、大きな目的だったことは間違いありません。
だけど実際に行ってみた感想は、当たり前のことですが、
自然農の姿としては、大長谷の石黒さんに勝るものではないし、
パーマカルチャーとしては、大玉生の森さんに勝るものでもない。

農環境としては、安曇野は観光客が大勢来ていますから、
こうしたレストランや宿泊施設が、成り立っているのでしょうが、
生活を現金化する点において、懸念を抱かずにはいられません。
生き方としての自然農から考えるなら、なるべくお金に頼らない、
現金化しない生活のパーマカルチャー化こそ、課題なのです。
都会からお金に余裕のある客を迎えて、生活を現金化することで、
表面的には自然農をしながら、実はパーマカルチャーではない、
そんな落とし穴に落ちる懸念を、払拭できない感じでしたが、
現代を生き抜く農の姿としては、やむを得ないのかも知れません。

むしろ今回の安曇野行の中で、意外なほど魅力的だったのが、
小さな個人の絵本美術館と、大王わさび農園の美しい自然でした。
大王わさび農園の方は、過去に何度も映画やテレビで使われて、
その魅力を訪ねてくる人は大勢いるのでしょうが、それにしても、
自然の美しさを観光で守り続ける、農園の人たちがすてきなのです。
農の産業化というか、農とお金経済の関係を考える時に、
一つの大きな世界をどう育てるのか、考えさせる場所でした。
そして絵本美術館は、究極の趣味の暮らしって感じだったでしょうか。

あいにくと安曇野にいるあいだは、雨降る時間帯が多かったので、
美術館の他は温泉に入って、ゆっくりするばかりでしたが、
お腹の大きな彼女を同行したので、ちょうど良かったかも知れません。
雨の中を車で行ったり来たり、早めに宿についてまたゆっくりして、
バイキング形式の夕食を、お腹一杯になるまで食べ続けたら、
そのまま部屋に入って、朝までぐっすり10時間以上眠りました。
忘れちゃいけない、ちひろ美術館も見所は一杯でしたが、
あんなに観光客が押し寄せる場所とは知らず、ちょっと疲れて、
僕の安曇野の印象としては、小さな絵本美術館がお気に入りでした。