不動滝まで

不動滝という名前は、日本中にたくさんあってイメージ 1
新潟県で13箇所、日本全国では134箇所あるそうです。
そんな代表的な名前の滝の一つが、井波にもあって、
そこはに古くから、枯れずに霊水が湧き出しています。
近年この水は、平成の名水百選にも選ばれたので、
水を汲みに来る人は、けっこう多いのですが、
滝の方まで来る人は、めったにいません。

滝は水汲み場に車を止めて、7分ほど歩きますが、
道は歩きやすいように、階段状に整備されていますので、
下駄やサンダルでも、気軽に歩いて行くことが出来ます。
昨日は水汲み場が混んでいたので、滝まで歩き、
ひんやりとした滝壺と、谷の冷気を味わってきました。
この滝がある一帯は、独特の地形で気温も低く、
岩のいたるところから、清水が湧き出て流れています。

昔はここまで、車が通れるような道もなかったので、
歩いてきた記憶がありますが、結構難儀な道でした。
今では、車で15分くらいで水汲み場に着きますから、
ありがたみは薄ぎましたが、水を車に積んで帰れます。
人間どこまでも、便利になればありがたいものですが、
手に入れた便利さは、もう簡単には手放せません。
それはもう電気に限らず、人間の欲の宿命でしょう。

滝壺のそばでしばらく休んで、水汲み場に戻ると、
ちょうど人が空いて、そのままタンクに水を入れました。
10リットルのタンクと、4リットルのペットボトルが2本で、
これだけあれば、2週間ほどの飲料水が賄えます。
水道水でもいいのですが、湧き水はやっぱり美味しい。
山へ行けば山の湧き水を組んできて、煮炊きにも使うし、
お茶を入れるにも、やっぱり湧き水が美味しいのです。

昔は霊水と言われたほど、ありがたい水でしたが、
今ではお金を出せば、ペットボトルで買うことも出来る。
だけどやっぱり、汲んできたものと買ったものとでは、
その水に掛ける思いも違うし、心が大きく違う気がするのです。
お金を出せば何でも買える時代だからこそ、お金ではなく、
手間暇を掛けたものが、最後の贅沢になるのでしょう。