強力な台風15号

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フィリピンから沖縄にまたがる巨大台風の目
 
8月下旬から9月に掛けて、沖縄は台風の季節です。
毎年いくつかの台風が来るのは、当たり前のことですが、
今回の15号は、気象庁が異例の会見をしています。

沖縄気象台の重村予報家長は、
「今回ほどの規模の台風が沖縄本島を通過するのは、
 最近ではみられない。近年にない記録的な風や雨が予想される」
として、今から56年前の1956年に観測された、
73.6メートルの最大瞬間風速に匹敵する暴風の恐れがある、
と最大級の警戒を呼びかける、記者会見をしたのです。

20時現在で、台風は沖縄本島に接近しており、
最大瞬間風速は、70メートルを超えると予測されています。
いったいどの程度の風なのか、この風速70メートルというのは、
電柱や木が倒れ、建物外装が剥がれ、木造住宅では倒壊の危険もある。
人はもちろん立っていられないし、道路は寸断されて通行できません。
僕が石垣島で出会った、風速60メートルの翌朝には、
自動車はひっくり返り、港の船は転覆して岸壁に上がっていました。

異常気象に始まって、豪雨や強風、強大な台風や高波が増えて、
僕らの日常生活は、次第に困難になってくるかのようです。
経済の格差にしろ貧困にしろ、この極端な自然災害の増加にしろ、
明らかに何か、大きな間違いの結果に思われるのですが、
それを明確にすることは、何故かためらわれるというか腰が引けます。
今まで押し進めた方向性や価値観が、大きく変わるからでしょうか。

問題解決の方法がないかと言えば、常識を乗り越えさえすれば、
その方法は見えないようで見えてくる、そんな時期なのでしょう。
金融で大変な目に遭っているギリシャなど、金融で解決しようとすれば、
問題を先送りして、さらに問題を大きくするばかりにも思われます。
いっそのこと銀行の救済などしないで、破綻させてしまえば、
身軽な経済で、生産も消費も進んでいくでしょう。
そんな実例が、アイスランドでは現実のものになっています。

産業経済の社会でも、これほどの資源浪費と生産拡大をしなくても、
むしろもっと質素に、人間の本質をとらえた社会目標を立てれば、
そこには格差や貧困を生む金融経済ではなく、もっと生活を重視した、
あるべき人間の姿が、見えてくるのかも知れません。
僕らはそうした検証をして、方向を変える時期に来ているのではないか?
記録的な格差も貧困も豪雨も台風も、同じ線上に見えてしょうがないのです。