火薬がみんな花火なら

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今年も近隣の、納涼花火大会に行って来ました。
観客席を仕切るテープの、すぐ前まで行って、
サッカーの練習場にゴザを敷いて、タオルを強いて、
真上に開く大きな花火を、寝転がっての鑑賞です。
首も痛くならないし、何にも邪魔されない花火が見れる。

ドーン、ドーンと破裂する、火薬の匂いが立ちこめて、
夜空に明るい赤や青、ゴールドやシルバーの色が弾けます。
見ているうちに、なんだか幸せな気分になってきて、
世界中の火薬が全部花火なら、どんなにステキかと思いました。
大砲の弾も花火で、ミサイルだって花火の火薬で、
撃てば撃つほど、夜空は美しい火薬の花が咲き乱れます。

榴弾も花火だから、当たれば火傷くらいするかも知れないけど、
投げられて落ちたその場で、美しい火薬の花が噴出します。
機関銃だって打ち出す火薬も花火なら、当たって砕けるのも花火。
空爆する爆弾も花火で、地面に落ちる前に空中で花開き、
飛行機を照らす明るい花火で、夜空が全部輝きます。

どこかを爆破したいと思っても、全部花火だから、
あっちでもこっちでも、大きな音と五色の花火が開きます。
爆弾テロの爆薬だって花火だから、大きな火柱が上がって、
当たり一面に大輪の花が開いて、みんながそれに見とれます。
中には仕掛け花火なんかがあって、玉がドカーンと爆発すれば、
中から“Give peace a chance"なんて文字が出てきます。

そんな夢を見ているうちに、花火は最後の乱れうち!
五寸玉から八寸玉まで、次々に打ち抜かれて花開きます。
ひときわ高い歓声が上がり、やがて静かになった夜に、
人々のざわつきだけが残って、今年の花火大会も終わりです。
夢から覚めても、なお覚めやらぬ夢の続きに夜道です。