新石垣空港

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戦後沖縄が日本に復帰して、40年が経って来年、
3月7日には、新しい石垣空港が開港します。
工事の進捗も順調のようで、展望台から見た様子では、
すでに管制塔も出来て、ターミナルビルが工事中でした。
この新空港は、最初から国際線ターミナルを持って、
すでに台湾の華信航空が、乗り入れを決めているようです。

国内向けは、今までは東京や大阪から直行便はあっても、
滑走路の関係で、石垣発は宮古那覇で給油する必要があり、
便数も少なかったのですが、改善される可能性が高いでしょう。
また今までは日本航空系か、全日空系の便しかありませんでしたが、
LCCのスカイマークが、すでに参入を表明しているので、
航空運賃も安くなることが、おおいに期待されます。
ただし今までよりも大型機が使えるので、増便は難しいかも。

それにしても、この石垣島の新空港建設には紆余曲折があって、
その過程で白保の珊瑚礁が、世界的にも有名になりました。
その白保よりもさらに種類が多く、豊かな珊瑚礁が広がった平野は、
一時期は、ほとんどの珊瑚が死滅したかに思われましたが、
この数年は少しずつ回復しており、将来が楽しみです。
開発による環境破壊で、珊瑚が死滅した場所は多いのですが、
これからは、回復する場所も増えてくればいいですね!

あえて懸念材料を言えば、与那国島自衛隊が駐屯するなど、
南西海域は決して穏やかではなく、様々な国境トラブルがある。
こうした国境トラブルに加えて、米軍基地問題も絡んでおり、
沖縄は常に、軍事基地化の心配を抱えているのも現実です。
今のところ、古い空港を自衛隊が使うようなことも無さそうで、
石垣島は観光産業を中心に、賑わうことになりそうですが、
間違っても、オスプレイが飛んで来ることのないよう祈ります。

もう一つ、これはもっと現実的な心配事ですが、
新空港から石垣市内へ通じる広い道は、一本しかなくて、
この道は、古い町並である白保や宮良を通り抜けます。
集落の中では、道路のあちこちに生活用の車が止めてあり、
今でさえ、一般車の流れが滞ることがありますから、
たくさんの車が、新空港と市内を往き来するようになった時、
集落内で大渋滞するのではないか、と心配するのです。

それでも来年の3月には、新空港はオープンするでしょう。
石垣島の各地には、新たな高級リゾートが増えたと共に、
市内中心地には、一泊1000円程度のドミトリーも増えて、
若い自由な旅人も、確実に増えているように思います。
しかし昔のように、のんびり楽しめる船旅はなくなって、
石垣島へ行くには、飛行機に乗るしかありませんが、
それでも最高の贅沢は、ゆるい時間を味わえることでしょう。

お金や財産のあるなしではなく、地位や名誉にも関係なく、
この世界に命を受けて人生を授かり、生きていく時間が、
あらゆる人に与えられた、奇跡の喜びだと思うのです。
この限られた時間を豊かにするのは、大自然との交わりであり、
自らの感性をもって、これを味わうことでしかありません。
千年前も千年後も、これが人生の基本だと思うのです。