トナミ運輸・グリーンエネルギー研究所

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高岡市昭和町にある、トナミ運輸株式会社の本社に、
クリーンエネルギー研究所という、小さな建物があります。
トナミ運輸の経営企画室に所属して、少人数の部署のようですが、
主に省エネの研究をして、現在は未利用エネルギーを有効活用する、
〈容器包装用アルミ系廃棄物の新グリーンエネルギー利用の仕組み〉を、
すでに技術的にはクリアして、具体的建設を検討中だとか。

僕らは里山元気塾の最終日に、田中南砺市長がポロッと発言された、
トナミ運輸でもR水素発電の研究をされているかも?」の言葉から、
それがどのようなものかを探るべく、ツテを探ってきましたら、
高岡にある本社で、リサイクルの研究がされていることを知ったのです。
さっそく詳しい内容を知りたくて、話を伺いに本社を訪れると、
同じ井波町出身の水木部長と、高坂研究員からお話を伺うことが出来ました。

すでに研究実験を終えて、どこで実現していくかを検討中のこの技術は、
カップ麺のフタやスープの袋、スナック菓子やティーバックに使われている、
紙やパッケージに付いているアルミを回収し、燃料電池にするものです。
もう少し詳しく言えば、ゴミとして分別回収されたものは、
まず紙などのパルプが取り出され、これは再生紙の原料になります。
次に乾留炉でプラスチック類が抽出され、これは燃料になるので、
農業用の機械を動かすのに、十分利用できるでしょう。

さらに燃料にならないアルミ部分は、水素を発生させるので、
これを使って燃料電池による発電に使えば、すべてがリサイクルできる。
すなわち廃棄物は何もなくなり、全部再利用して使えるシステムなのです。
しかも燃料電池による発電は、カートリッジ式なので持ち運びが出来るから、
災害時の停電などで、送電線が間に合わないときに運び込み、
そのまま電源として利用できるという、大きななメリットもあります。

ゴミをペレットにして燃料とする、DRFやRPFのシステムは、
予想よりも早く炉が傷むトラブルで、廃止になるようですが、
そのような大規模なものではなく、100戸~200戸単位の集落で、
アルミ箔の付いたゴミだけ分別回収できれば、そこから燃料と、
電気を発生させて、蓄えておくことが出来るというものです。
なかなか面白い技術だし、地場産業とも無縁ではなく、
これから興味深く、僕らの可能性を探ってみたいと思うのです。