腐っている原発業界

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環境団体の追求で、耐震性能の数値に関し、
関西電力のいいなりに数値改ざんしたことを認めた保安員

福島原発事故から、すでに1年以上が過ぎましたが、
この未曾有の大事故に関わった、経営責任者を始めとして、
エネルギー政策の立案者や、原子力安全・保安院の顔ぶれも、
原子力安全委員会のメンバーも、まだ何も変わっていません。
社会常識で考えれば、責任ある立場にいた人は責任を取って退き、
違う考え方を持つ人が、後継者として登場するのですが、
原発業界では、そうした社会常識は通用しないようで、
相変わらずの人たちが、すべての判断をし続けているのです。

いったいどうして、これだけの事故を起こしておきながら、
誰も刑事責任を問われないどころか、責任ある立場に居続けるのか?
この事実そのものが、原発業界の異常性を現していると言えます。
すなわち、業界を挙げて同じ考えのイエスマンを育てたので、
この方針が失敗した時点で、これに変わる考え方が育っていない。
原発を安全にするのではなく、安全だと思わせることに腐心して、
いつのまにか身内の人間が安全だと思い込み、対策をしていないので、
間違っていたとわかったときに、それに替わる人がいないのです。

しかも今まで何度も指摘してきたように、原発利権者たちは、
原発に疑問を持つ人たちを、徹底して排除してきたために、
疑問を持って解決に向かう姿勢が、まったく育ってきませんでした。
だからこそ、古い人が責任を取って新しい人を後任にしたくても、
後に続く者たちが、全員腐った金太郎アメみたいなものだから、
誰をすげても何も変わり様がないので、腐った頭をそのままにする。
かなりひどい言い方ですが、一年を過ぎた今の報道を見ても、
原発業界の体質は、何も変わっていないように見えるから困ります。

原発利権にぶら下がっていた自治体は、突然資金が乏しくなって、
止まっている原発を、早く再稼働させて欲しいようですが、
こうした人たちは、住民の安全よりもお金経済を優先させます。
もともとそうでなければ、原発など建設しなかったはずで、
町長や議員が原発関連工事の受注を、大量に受けていた話など、
珍しくないどころか、ほとんどがそんな自治体ばかりかと思われます。
村民の平均年収が1600万円と言われる、六ヶ所村の例などは、
日本の典型的な恥部、と言っていいのかも知れません。

それでもさすがに新聞テレビ業界では、風向きが変わってきて、
おおっぴらな脱原発外しは出来なくなったようで、あるいは、
脱原発論を外すと、世間の反発が身に染みるようになったようで、
看板ニュース番組などでも、一年前とは態度が変わってきています。
これは以前にも言ったことですが、新年度の予算では、
今までのように原発予算は使えなくなって、歯止めが利き始め、
膨大な広告費でマスメディアを支配することが、難しくなったのです。
金でそびえ立ったものは、金で倒れるしかないのでしょう。