THE PROTESTER

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今年、「 TIME 」誌の PERSON OF THE YEAR は、
特定の個人ではなく、覆面をしたアラブの若者が表紙を飾り、
「 THE PROTESTER 」(異議を申し立てる人)となりました。
その副題のように、下に書かれていた説明は、
アラブの春からアテネまで、ウォール街占拠からモスクワまで」
とあって、今年の世界の動きを端的に示しています。

思えば日本では、大地震原発事故が話題の中心でしたが、
海外に目を向ければ、ちょうど1年前の12月18日に始まった、
チェニジアのジャスミン革命から、大転換が始まっています。
エジプト、リビアの政権崩壊や、アラブ諸国の変革、
さらには中国、アメリカ合衆国イスラエル、ロシアまで、
次々に市民蜂起が起きて、既成権力は転換を迫られているのです。

この動きを、理論不在でバラバラな鬱憤晴らしと見る人もいますが、
全体を見れば、明らかに既成権力や価値観に対する疑問から始まっており、
経済格差によって発覚した、経済成長政策の欺瞞に対する抗議です。
多くのアラブ諸国では、特定の人物が富を独占していたので、
抗議対象もわかりやすく、アラブの春を迎える道は見えていましたが、
欧米では金融システムや経済政策に対する異議として、広まったのです。

ギリシャやスペインでは、国家経済の危機とまで言われますが、
市民はそうまでして何を求めているのか、僕らは知る必要があります。
なぜなら日本ではいまだに、経済成長のためなら原発も厭わない、
恐るべき経済中心の考え方が、市民にまで広がっているようですが、
欧米諸国では、すでに原発は過去の遺物になりつつあるので、
マネー経済よりも大切とされるものが何かを、学ぶ必要があるからです。

こうしたグローバルな流れは、ローカルな南砺市にも無関係ではなく、
利権を私物化する一部の利権者に対する反感が、市民を動かして、
「市民協働のまちづくり条例」を作らせてきたのです。
市民の意志なら、選挙で選ばれた議員に任せておけばいいのではない、
おかしいと思った人が自分で動き、THE PROTESTER となるのです。
覆面をまとっているのは、一人一人の市民だと言うことです。