オリンパスに見る日本の企業体質

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僕がまだ熱心にダイビングを楽しんでいた、十数年前に、
今ではあたりまえのデジカメが、ようやく普及し始めました。
最初は玩具のようなものだったのに、やがて性能がアップして、
サービスサイズのプリントでは、フィルムに遜色なくなると、
またたくまに、デジタルカメラの市場が広まりました。

そこで僕もデジタルに切り替え、それまでのフイルムは、
全部スキャナーでデジタル化して、パソコンに取り込みました。
それ以来、フィルムカメラは一切使っていないのですが、
この頃にもう一つ気付いたのが、デジカメの水中写真の綺麗さです。
フイルムだと、どうしても被写体までの水の濁りが反映して、
綺麗な写真が難しいのに、デジカメだとクリアに被写体が写る。

そこで本格的に水中写真を撮るために、ボックスのあるカメラを探し、
当事もっとも性能がよいと思われたのが、このオリンパス製で、
CAMEDIA C-3030 ZOOM 3.3Megapixel」と言うものでした。
水中ボックスと合わせると、かなり高額だったと思いますが、
当事はお金を稼いでいたので、金額は気にせず良いものを選んで、
その結果は、素晴らしい水中写真を何枚も撮っています。

これほど優れた技術を持つ会社が、僕がそのカメラを買った頃、
バブル期の投資に失敗して、1000億円近い含み損を抱えていた。
これだけでも非難されるべき、お金に惑わされて残念なことですが、
さらに上塗りをしたのが、含み損の隠蔽に走った幹部です。
僕は企業のことはあまり知りませんが、東電の体質と同じように、
上司がやることに、部下は一切異議を唱えないのが当たり前のようで、
このイエスマン体質が、問題を大きくしたと言われています。

ここに2つの大きな問題、一つは金儲けを最優先で考える体質と、
もう一つ、上司の言うことには決して意義を言わない体質が見えます。
オリンパスの場合は、マイケル・ウッドフォード元社長の告発によって、
問題点は明らかにされ、第三者委員会の甲斐中辰夫委員長は、
オリンパスは、もともと真面目な従業員と高い技術力を持つ会社であり、
 当時からの経営陣を文字どおり一新し、再生を目指すべきだ」
と結論づけて、会社はこれを受け入れ、再出発を始めています。

もともと技術力はあるので、これでオリンパスは再生するでしょう。
が、やっぱり問題は東電などの独占電力会社で、この強大利権集団は、
膨大な利権は決して手放さないまま、誰一人責任を取ろうともせず、
日本経団連などは、いまだに原発推進を謳って止みません。
過ちを犯した責任者が責任を取らないと、どうなってしまうかは、
敗戦に責任を取らなかった責任者が、次々に同じ過ちを繰り返して、
日本を亡国の淵に追いつめた軍隊と同じく、この国を危うくするでしょう。

僕のように何の力もないものが、何を言おうと振り向きもせず、
イエスマンで頭脳を固めた巨獣は、ひたすら利益を求めて突き進む。
その先には断崖絶壁があり、方向を変えることも可能なのに、
イエスマンは硬直した我利我利亡者の傲慢に、異を唱えることを知らず、
まっすぐ断崖絶壁へ向かって、問題を誤魔化したまま突き進むのです。
それは彼らのことではなく、僕らのことでさえあるのですが・・・