哀れな日本政界

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歴代首相の中で、初めて脱原発を唱えた菅さんですが、
マスコミ経済界を挙げての批判と、菅さん下ろしの大合唱で、
今月中にも、菅さんは辞任する見通しとなってきました。
そしてポスト菅を狙う意欲満々な人たちの名が、次々に挙がり、
野田財務相、鹿野農相、海江田経済産業相馬淵澄夫国土交通相
小沢鋭仁環境相樽床伸二衆院国家基本政策委員長、前原誠司前外相、
と数多くの人が、次期総裁候補として立候補の噂があります。

しかしながら驚いたことに、この中に「脱原発」を掲げる人が、
一人もいないのは、いったいどう考えたらいいのでしょうか?
マスコミが仕上げた世論によって、菅さん人気がないのをいいことに、
次期総裁候補は、すべて原発容認の候補者だというのなら、
果たして誰なら、どの政党なら脱原発を推進してくれるのか?
これだけ未曾有の惨事を引き起こした原発事故が、半年もしない内に、
景気回復の大合唱の陰に隠れて、まるでなかったことにされてしまう。

3.11の後、多くの知識人たちが、社会の構造まで変革が必要だと言った、
日本人の意識が変わる必要があると言って、支持されたはずだった。
それなのに、たった半年で忘れ去られたかの如く経済優先に戻り、
希に見る大改革を唱えた首相は、有権者にまで見捨てられたかのように、
次の総裁選候補には、この英断を引き継ぐ人は一人もいない。
何が何でも菅さんを下ろしたかった経済界は、ホッと一息、
これでほとぼりが冷めるまで、静かに利潤追求は続くでしょう。

すでにバカらしくて、地デジ化を機に見なくなったテレビですが、
圧倒的多数の人たちは、テレビを買い換えてでも見続けているように、
この国の世論は、今もテレビを中心としたマスコミが牛耳っている。
したがって、テレビ界が脱原発を望まない限り、原発は維持されていく。
国民の大多数がそう望んでいるなら、真の民主主義は遠いままで、
政府や経済界が望むままに、社会は荒廃をし続けるしかありません。
市民が成長しない民主主義の行く末を、日本で見ることになるでしょう。

世界でもっとも原発を推進しているフランスでは、脱成長が議論され、
第三世界から発信された、生活の豊かさを問い直す運動が始まっている。
この流れは、欧州連合での新しい価値観を模索する中でも注目され、
またアラブ諸国での市民革命や、世界各地での市民民主化と同調する。
しかし残念ながら、日本だけは没落するアメリカの後を追って、
すでに持続不可能な、経済の開発と成長に委ねた社会にすがりつく。
少なくとも日本の政界の現状を見る限り、この国の民主主義は未熟です。
 
 
写真は満開に開いた食用の“花オクラ”で、直径20センチ近くあります。