政治と金融経済

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現在のお金システムが、不完全どころか欠陥があり、
様々な問題を起こしていることは、多くの人が知っています。
世界規模に経済が拡大しても、飢餓や貧困は無くならず、
経済のグローバル化は、今や貧富の格差を広げるばかりです。
もともとお金は、便利な商品交換手段だったはずなのに、
何がどうして、こんなに諸悪の根元になっているのか?

いくつか理由はあるのですが、一つは安部芳裕さんが指摘する、
金融の仕組みそのものが持っている、貧困生産の仕掛けです。
本来なら政府などの公的機関が通貨を発行し、その利子を財源に、
市民のための政策を実行すれば、貧困など生まれなかった。
それを一部の金融資本家が手を組んで、銀行システムを作り、
すべての富を私利私欲で集めるから、弱者が生産されてしまう。
こんな簡単なことが、政治は解決できないでいるのです。

あるいは丸山真人さんが言うように、経済学を市場経済に収めず、
もっと広義に、自然界全体の能力を見据えた循環の中で考えたなら、
環境汚染や原発事故など、最初から成り立たなかった。
それなのに今までの経済学は、自然界が許容する再生力を無視し、
あらゆる生産物が、自然界の再生能力に依存していることを、
マルクスも含めて、まったく考慮してこなかった欠陥があるのです。
これも解決できるとすれば、政治でしかないのですが・・・

そしてもう一つ、指摘しておく必要があると思われるのが、
去年の一時期ブームになった、ベーシックインカムの考えです。
この考えは、基本的に魅力的な要素を持っていますが、
一つどうしようもない欠陥があるので、賛成はできません。
それは、収入や稼ぎが無制限なままのベーシックインカムでは、
必ずお金を吸い上げるシステムが登場し、貧富の差は拡大し、
結局は相対的貧困から、絶対的貧困が起こるのは明確です。

しかしこの問題も、アッパーネットなどを仕掛けることで、
解決の方法はあるのですが、これも政治でないとできないこと。
すなわち現在社会の経済の問題は、すべて政治の問題であり、
政治がシステムを変えない限り、どんな政策も無意味でしょう。
マスコミの政策論争などは、決してこうした根元的な問題を問わず、
常に自分たちの利益を確保する、システムを温存した上で、
その場限りの場当たり的な経済政策を、大本営発表するのです。

今や僕らの社会には、純粋に経済的問題などは存在せず、
あまりにも政治的な問題だけが、経済問題を起こしているのです。
しかもこの経済利権の力は、圧倒的な政治力を持っており、
自分たちの都合のいいようにしか、法律を作らせません。
これを改革できるとすれば、市民意識の向上しかないのですが、
多くの人は、こうした問題にまったく無関心なのですから・・・