哀しい熊情報

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富山県では、9月中旬からずっと熊注意情報が出され、
山間部に入るほとんどの道では、こんな看板が出ています。
実際に熊の目撃情報は多くて、サンタの森近くでも目撃され、
山の農作業も、一人では行かないように注意しています。
そして昨日、また熊の親子が平地に現れて射殺されました。

母熊と二頭の小熊が、住宅地に現れて危険な存在となり、
猛獣駆除として、ハンターが射殺してしまったのです。
たしかに住宅地に出てしまっては、危険きわまりないので、
射殺されることも、やむを得ないのでしょうが、
なぜ出てきてしまうのかを考えると、哀しいのです。

熊たちの食料を不作にした原因である、今年の猛暑が、
人間の過剰な経済活動によるものであるとすれば、
我々の生活スタイルが、彼らを追いつめて射殺している。
そんな構図も考えられるので、無関係とは思えないし、
現状を変えられるのは、人間しかいないってことでしょう。

今年は国連主導で、生物多様性保護の年だといいながら、
多くの国々では、いまだに破壊型の経済拡大を目標にして、
そうしないと、国民が幸せにならないかのように誘導します。
だけどお金で人が幸せにならないことは、明らかなので、
今度は様々な脅し文句で、国民を経済拡大に誘導する。

おかげで絶滅種の増大は、とどまることを知らないし、
今や目に見える生き物ばかりではなく、海の中や川の中、
土壌の微生物レベルでさえ、種の絶滅は進んでいるようです。
住宅街に出てきて撃ち殺される熊は、その象徴だから、
その危険性だけで「やむを得ない」とは言えないものがある。

自然農をしていて思うことに、生き物の世界を守ることは、
決して経済効果の高いものではない!と言う事実です。
さらに経済効果を求めて、生き物の世界を破壊する愚かさは、
やがて命ある人間の生活さえ脅かし、理念だけが跋扈する。
射殺された熊の親子は、人間に警告しに使わされたのかも・・・