里山への想い

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先日の20日、敬老の日の朝のNHK番組で、
里山の風景をテーマにした特集番組がありました。
ちょうど僕らも里山博で、自然農試食会の日でしたから、
見終わると同時に、バタバタと出掛けてしまったのですが、
里山とは何かを考える、よいきっかけになりました。

里山とは何か?なんて、わざわざ考えた理由は、
南砺市の将来像を、夢のあるものにイメージする場合、
豊かな自然と調和した人々の暮らしが、思い浮かんだのです。
人間と、その他の生き物が共存して暮らす場所が里山で、
そこに豊かな暮らしの原点を求めれば、南砺市は豊かになる。

今年から南砺市で、里山博が開かれることになったのは、
5年前に8町村合併で出来た南砺市で、コアになるものがなく、
一つの纏まりを求めて、里山というキーワードが出てきたからです。
だけどこの里山文化とは何かが、明確にされなかったから、
今までのイベントを、並べただけに終わった感じもあるのです。

だからこそ、まちづくり条例作成市民会議でも、
南砺市は将来に向けて、どんなまちづくりをするのか?で、
協働の手法だけが明確で、将来イメージが不明瞭だったのです。
そこで市民会議メンバーに呼びかけ、勉強会を始めることにして、
明日はその第一回に、「懐かしい未来」の鑑賞をします。

書籍「ラダック」をベースに作られたこの映画は、
地域の自然に即して育まれた文化が、マネー経済で壊され、
人間社会が荒廃していく姿を描いた、ドキュメンタリーです。
エンデの遺言」で言われた、金融マネーの問題が、
ここでは具体的な事実として、わかりやすく表現されています。

ただし今回、この「懐かしい未来」を見る理由は、
そうした根元的なお金の問題に立ち入ろうとするのではなく、
人間生活の豊かさとは何か?を、少し経済から離れて見て欲しい。
国民総生産ではなく、国民総幸福度で見るとはどんなことか?
その一つの実例として、この映画が役に立つと考えたのです。

さらに、なぜ経済拡大を戒める必要があるかについて、
エコロジカル・フットプリントの観点から、資料を見てもらい、
アメリカ型の大量消費社会が孕む問題を、知ってもらいます。
そして地域で、持続可能な循環型社会を作る必要があるとわかれば、
その基盤である豊かな自然に恵まれた、南砺市の長所がわかる。

長所がわかれば、それを伸ばすまちづくりをすればいいので、
何をキーワードに将来像を描けばいいかも、おのずから知れる。
そのように考えて、まず明日第一回の勉強会を開くのですが、
これがまあ、なかなか思惑通りには行かないのでしょうね。
それでも努力する課程が大切だと知っていますから・・・
 
 
写真は利賀村、百瀬川周辺で数年前に撮ったものです。
今年の紅葉は、10月下旬頃からでしょうか?