有利子金融マネーの弊害

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現代社会の様々な問題、例えば貧困増大、環境破壊、資源枯渇、
と言った諸問題の裏には、必ず有利子金融マネーの存在があります。
この有利子金融マネーの害罪を、そのままにして置いては、
どんな志の社会保障も政策も、本来の効力を活かすことは難ししくなる。
この諸問題を解決するのに、問題の原因であるおカネを使っては、
何一つ根元的に解決しないことを、認識しておく必要があるのです。

例えば最近よく議論されるようになった、ベーシック・インカムなども、
現状に窮している人を、一時的に助けるには役に立つでしょうが、
実際にあまねく人にこの政策を施すには、大量のおカネが必要になり、
そのおカネが有利子である限り、さらに利権者を太らせてしまう。
同じように、一時期ブームとなりながら廃れている地域通貨なども、
どこかで金融マネー、いわゆる“円”と交換出来てしまえば、
圧倒的な円の利便性に押されて、地域通貨は意味を維持出来なくなる。

かくして、生産物以上に増え続ける金融マネーは、やがてだぶつき、
経済成長と称して拡大生産と拡大消費を煽れば、自然環境は破壊されるし、
あらゆる地上地下の有用資源は、武力で奪い合うほどに枯渇していく。
そして一部の特権階級の利益を守るために、多くの人は虐げられて、
わずかな自由を得るために、働き続けることが幸せだと思い込まされる。
これが、貧富の差を拡大する現代社会のカラクリだと言うことです。

それでは、こうした社会システムを成り立たせているものは何か?
そう考えると、どうしても特権の大元である有利子金融マネーが浮かぶ。
もともと貨幣とは、有資産同士の交換を便利にするために生まれましたが、
第二次大戦によるアメリカの富独占から、ブレトン・ウッズ会議以降は、
ドルのみが金(資産)と交換出来る、金為替本位制が出来上がります。
ところがこの戦争中毒の大国は、世界中で戦火を広げながらおカネを使い、
金の準備量を遙かに超えるドルを発行して、世界にばらまいてしまう。

こうして1971年に、ドルと金の交換さえ停止されてしまうと、
おカネの総量を規制する資産は無くなって、膨大な利子金融が始まる。
その挙げ句が、金融バブルを頂点とする天文学的なマネー増殖となって、
現代の貴族とも言える、金融利子で暮らす特権階級が生まれるのです。
日々の暮らしのために働く、ごく当たり前の人々の働いた成果は、
おカネによって糧を得ることから、金融と利子で富をかすめ取られていく。
さらには果てしない金融マネーの増殖によって、相対的に貧困となる。
この社会経済システム、価値観を改革しないと、何も解決しないのです。

さいわいに、どうすればおカネ問題の少ない社会にしていけるかは、
ゲゼル理論や人間経済学などで、理論的にはある程度見えてきています。
また地域通貨の試みや、ベーシックインカムの展望などからも、
問題点の整理が行われ、例えば銀行券ではない政府発行通貨によって、
利子を個人の富にするのではなく、税金に代わる政策財源に使うことや、
公的利子さえも廃止して、納税がそれに代わる案などもあるのです。
まず、こうした可能性を選択肢として、議論することが必要でしょう!

すでに特権を持つ社会的リーダーたちが、この利権を手放さなさず、
むしろ保守に走ることは想像出来ますから、改革は簡単ではありません。
それでも子どもたちの将来を考えれば、金融利子マネーは危険なのです。
改革には二つの道があり、その双方で一つの方向を示すことになるでしょう。
一つの道は、こうして議論をすることで新しい社会システムを考えること。
もう一つは、気付いた個々人から、問題を起こさない生き方をすることです。