悩める朝市

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自然農仲間に誘われて、富山市の若竹町で朝市に参加しました。
車で1時間近く掛かる場所でしたが、いつもお世話になっている人の、
ピンチヒッターでもあり、どんな感じか参加してみた次第です。

ラッキョウ酢やニンニク醤油などは、前日の内に瓶詰めをして、
ジャガイモ、キャベツ、ダイコンなどは、当日朝に掘りだして準備。
これに預かった竹炭の飾り物などを持って、7時に現地へ行きました。
こぢんまりとした住宅地の中にある、小さな商店街のアーケードで、
商店街の店が開く10時までの2時間、朝市になるようです。

誘ってくれたDENさんと二人で、ベニヤ拵えのテーブルを並べ、
それぞれ用意してきたものを、なるべく見映えよく並べていきます。
僕は野菜を小袋にも分けてないので、大きな梅干し用のザルに並べて、
値段を書いた紙をその前に出して、あとは瓶詰めを並べて終わりです。

並べ終わってすぐ、一人の女性がキャベツに目を付けてやって来ました。
朝市価格でキャベツが欲しかったのでしょうが、僕のは値段が高い。
自然農で作った野菜を、集約農業で作った野菜と同じ値段では売れません。
他の店を見てきて欲しいとお願いしたら、いったん彼女は他のところへ。
だけど見つからなかったらしく、1時間ほどして戻ってきました。

キャベツ1玉300円と聞いて、やっぱり彼女は買いませんでした。
200円くらいなら売れたでしょうけど、それでは意味がないのです。
現に300円で買ってくれた人もいて、それを200円には出来ません。
「自然農で作ったものなので」と説明しても、たぶん意味が通じない。

結局売れたものは少なくて、多くは持ち帰ることになったのですが、
ある程度は覚悟していたことなので、それはまあ仕方ありません。
ただ結果だけを見れば、自分ではおカネではない生活を望みながら、
高い値段でないと売れない野菜を売ろうとしたことに、違和感もある。
おカネに頼りすぎない社会を育てるには、やっぱり自給するしかない。

目の前にお金がなくて困っている人がいた場合に、何が出来るか?
本当に必要なのは、おカネではなく、おカネで買おうとした何かだとして、
それではその何かを、おカネ以外のもので手に入れる方法を彼女は知らない。
普段の生活の中で、食料を自給しようと言う発想なんかないのです。