奇妙なマスコミと世論

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官僚国家日本の官僚組織と、対等に渡り合えたかも知れない、
ほぼ唯一の政治家、小沢一郎さんが民主党の代表を辞めました。
小沢さんは古いタイプの強引な政治家で、嫌う人は多いし、
僕も決して好きとは言えませんが、実力はある人でした。
今の自民党では、誰一人として逆らえない官僚組織に対して、
政権交代で官僚主導を変えられるかも!と思わせてくれた人です。

麻生さんは惚けて、「なんで辞めたのかわからない」と言いますが、
世論に敏感な小沢さんですから、自分の人気の無さも含めて、
マスコミ世論による党内の動揺を見て、今が潮時と思ったのでしょう。
献金問題に対する“説明不足”を、声高に言う人が多いようですが、
いったいどんな説明がされたら納得するのか、僕にはよくわかりません。
僕は政治家の良し悪しを、政治資金がクリーンであるかないかよりも、
実際にどんな政治をしているかでしか、見るつもりがないからです。

その点小沢さんは、少数意見をチカラで押さえ込む強引さはあっても、
政権交代が出来る2大政党制の実現にむけて、ずっと尽力してきた、
動く山のような人だったことは、間違いのない事実でしょう。
おっと、彼は政治家を辞めたわけではないし、今もその意思は不変で、
次の総選挙での、政権交代実現のために代表を辞めたのですから、
これも世論空気を読んでの先手を打った、と見るべきでしょう。
それはいいのですが、僕が今回イヤな思いをして見ていたのは、
マスコミ世論が説明責任を盾に、小沢さんを追い詰めた理由です。

彼は確かに建設業者から多額の献金を受けていたわけですが、
その資金によって、今の政治活動が可能になっているのだとしたら、
僕ならこの時期に追い込まずに、じっくりと追及材料をストックしたい。
そして彼に政権交代を実現していただいて、その後の活動を見守り、
今の官僚主導を、政治家主導の政治にまで持っていっていただく。
次ぎに彼が自分勝手な強引さで、市民に不利益なことをしようとしたら、
そのときはストックした材料で、小沢さんを追い詰めればよかった。
だけど今彼を追い詰めたのは、検察の動きと同じで官僚を利している。

そもそも説明責任だなんて、今の政治家は言い訳と揶揄ばかりで、
誰が自分の政策に説明責任を果たしているのか、ちっともわからない。
環境重視の循環型社会を目指さなければならない時代に、大量消費を促し、
相も変わらず経済拡大を重視して、次世代の自然環境を徹底的に破壊!
百年に一度の経済危機と称して、一万年に一度の環境破壊を後手にする。
こんな無茶苦茶に、どんな納得のいく説明が成されているのか?
はっきり言って、マスコミは利権官僚を擁護しているように見える。

広告収入による企業運営で、収益を拡大したいマスコミ企業は、
以前から言っていることですが、もうジャーナリズムとは違うもので、
むしろ人々を、大量消費へ促すことで、人々の未来を奪おうとしている。
この時代に何が真実かを知ることは困難ですが、だからこそ人々は、
日常的に自らの生き方を考え、奇妙な意図に踊らされない意志が必要です。
今回の小沢さん辞任から、そんなことを考えさせられました。