朝青龍と日本人

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以前から品位がないとか、マナーが悪いとか、
何かと批判され続けている朝青龍ですが、
今場所の初日に沸き起こった、観客の大歓声は、
けっして否定的なものではなかったですね!
上品でマナーのいい白鵬よりも、歓声が多くて、
連日の大入り満員は、やっぱり朝青龍人気でしょう。

横綱審議会は、彼を横綱にしておきながら、
擁護することなく、指導どころか批判ばかりで、
モンゴルに帰ったときは、マスコミもひどかった。
いくら横綱が公人でも、あれだけ付きまとわれたら、
誰だってイライラして普通ではなくなるでしょう。
それでも彼は復帰して、横綱を張り続けたのです。

去年の後半は、肘を痛めての連続休場となり、
彼自身は言ってもいないのに、引退が噂される。
稽古総見では、なかなか白鵬に勝てない状態で、
それでも凄まじい精神力で、本場所に出てきました。
彼の追い詰められた状況を、ファンは知っているから、
大声援を送って、朝青龍を応援したのでしょう。

初日の一番、彼は押し込まれて土俵際に詰まる。
それを踏み留まったところに、強靱な気力が見えた。
けっして盤石ではないのに、気力で踏みとどまる。
勝負前に見せる必死の形相は、不動明王を思わせる。
そして土俵一杯に、様々な技を駆使して相手を倒す。
勢いあまってだめ押しをしても、彼の相撲は横綱だ!

いや、何故わざわざ朝青龍を取り上げたかと言えば、
横綱審議会から、マスコミから、ボロクソに言われて、
それに耐えて頑張っている人間をひいきにする人がいる。
これこそ、庶民にとっての強きをくじき弱きを助ける!
ではないのかと、思ってしまったので、書いてみました。
力あるお上に対して、反抗するものに味方するのです。

自分には出来ないことだからこそ、誰かに託したい。
もしかしたら、主体的に動かない人たちだからこそ、
こうした不敵なヒーローが好きなのかも知れません。