残念な予算案

クリスマス・プレゼントのつもりではないでしょうが、
麻生内閣が、かつてない大規模な来年度予算案を出しました。
一番責任を持ってやっていただきたかった財政再建は消えて、
日本国民は、さらに膨大な借金を背負わされることになる。
しかもそれによって将来の社会を建設するわけではなく、
一時的な雇用対策や、間に合わせの医療対策ばかりのようで、
景気浮揚策と言えば、また金融資本を膨らませることばかり。

わずかに循環型エネルギー利用への補助はありますが、
原子力などの問題エネルギーに注ぎこむ補助に届きません。
無駄な防衛費もほとんど減らず、公共事業が再び増えそうで、
年金や福祉を守るには、消費税を上げますとの予告付きです。
つまりは、今までの価値観が転換できない予算案だってことで、
これが如何に完璧に実行されようと、新しい未来は見えません。
いったいいつまで、こんな醜態をさらし続けるのでしょうか?

金融グローバル経済に代表されるような、社会のあり方は、
もう多くの人は疑問に思って、違う価値観を模索しているのに、
政府は新しいビジョンを示すことができず、右往左往している。
本来なら、新しい社会の在り方を推進するために使って欲しい、
大切な税金を、今ある体制の利権を守るために使い続けて、
あろう事か、その場しのぎの対策で借金まで増やしている。
こんな政策で、未来に希望を持つ人がどれだけいるでしょう?

借金の原因を借金で埋め合わせようとしても、叶わない。
これは多くの、借金で自己破産する人の陥るところでしょう。
国民の不安は、未来の子どもたちに残す借金のあまりの多さで、
このままでは、10年後20年後に健全な政策運営ができない、
そうした不安心理を逆なでする、不健全な予算にしか見えません。
しかも驚いたことに、麻生さんは誇らしげに予算を説明される。
今の社会に求められている政治の役割を、ご存じないのか?

資本主義社会は、経済成長しないと成り立たない仕組みって、
思わされているけど、成長は何でもお金換算することで成り立つ。
人々が暮らしのなかでやっていたことを、お金換算しただけで、
しかも実際には何も生産しない、金融利子でさえ経済成長する。
この仕組みをもう一度整理して、過去の金本位制に変わる仕組み、
実質経済が数字になる仕組みを、取り返す必要があるのです。
資産が増えなくても循環する、社会経済システムの構築です。

自然界と同じように、マネー価値も時間と共に減価していく、
そんなゲゼル理論による貨幣運用も、おおいに参考になります。
金融マネーの生まれ方、使われ方をコントロールするのでもいい、
そして国と国民を守るために、食とエネルギーの自給を目指す。
この国は、豊かな自然と循環資源に恵まれた国だとわかれば、
軍隊を海外派兵してまで、枯渇資源を奪い合う必要もないのです。
問題は、政治が循環型社会への舵取りをするかどうかでしょう!

そうした新しい政策を示せないなら、
せめて財政を健全化して欲しかった!