アジアの役人

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ミャンマーのハリケーン被害に続く、中国の四川大地震は、
地震発生から三日を過ぎて、被害の概容がようやく見えてきました。
震源地に近い成都から綿陽にかけての取材映像を見ていると、
これは単に、建物の耐震性云々の次元を超えているように思われます。
建物の倒壊だけなら、建造物の脆弱生が指摘されるでしょうが、
写真のような舗装道路の壊れ方は、並大抵の災害ではなさそうです。

中国当局の予測によると、死者の数は5万人に達すると見られ、
最終被災者がどの程度の数になるかは、想像するのも困難でしょう。
13万人もの軍や武装警官が従事して、救助活動が続く中で、
切実に水や食料を必要としている人たちに、物資が届いていない。
路上で救援物資を満載した車が止まると、多くの人が列を作って、
割り込む人を牽制しながら、少しでも水や食料を手に入れようとする。

そんな中で、「役人には渡すな!」と叫んでいる人が目に付きました。
本来一番人を助ける立場にいるはずの役人が、信用されていないのです。
トラックの荷台から手渡しされる物資に、最初は無秩序に人が群がり、
やがて誰からともなく、順番に並ぶように叫ぶ人が出てきた。
そうして並んだ人たちが、役人には渡すなと叫んでいたのです。
役人が普段から人々にどう思われていたか、よくわかる場面でした。

中国の役人は、なんて人々から信用されていないのか?と思えば、
次に写し出された国内ニュースでは、国土交通省の道路整備局の中で、
局の役人が、一人で400万円ものタクシー代を使っていたことを、
問いただす民主党の国会議員と、領収書を出さない役人とがもめていた。
それを民主党のパフォーマンスだとして、取り合わない福田首相
またいつものパターンで、市民を置き去りにした責任の押し付け合いだ。

アジア、アフリカ、中南米の役人は、賄賂と袖の下にまみれている?
まるで余所事のように、そう批判をする人がいるけど、日本はどうなの?
やることが巧妙になって、税金で集めた膨大な予算を牛耳っており、
好き勝手に使えるのだから、賄賂なんか必要とも思わないのかも?
矛盾したことを平気で言う政治家に、説明責任など期待もできない?
こんな国で大災害が起きたら、果たして役人は信用されるのか?

いや日本では、現場の役人はマジメに働いている人が多いのです。
頭が固くて融通の利かない、縦割り上司の言葉しか聞かないとしても、
少なくとも今のところ、まだ僕らは彼らの人間性を信じている。
役人としては信用ならないけど、人間として信じている・・・あれっ?
これじゃやっぱり中国の被災者と同じで、本当に困ったときには、
「役人には渡すな!」と叫ぶしかないのでしょうか?