ツバル

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毎月、町内会を通して大量の文書が配布されます。
今月その中に「南砺市地域新エネルギービジョン」
と言う、8頁の立派なパンフレットが入っていました。
南砺市市長政策室企画課発行になっていますが、
内容を見ると、南砺市の地域的な実情とは関係なく、
新エネルギーの基本的な内容が紹介されています。

南砺市総合計画 さきがけて緑の里から世界へ」として、
太陽光、風力、バイオマスなどの調査研究を行うとしていますが、
今のところ、これと言って成果があるようにも見えません。
それなのに、南砺市で期待される新エネルギー量は、
全エネルギー使用量の13%と、はっきり書かれています。
まだ調査も出来ていないのに、この数字は何なのでしょうか?
すでに100%自給している市町村も76あるというのに。

行政法人の助成を受けて作った、と書いてありますから、
南砺市行政法人のマニュアル通りに作っただけなのでしょう。
10年前ならいざ知らず、今頃基本調査もしないで何を言うの?
って気もしますが、それ以外の内容は大切なことばかりです。
特に「基本方針」にある「多様な地域特性に応じた小規模分散型」
この概念は重要なので、何よりも早く基礎調査をして欲しい。
地域に合った自然エネルギー利用がわかれば、普及するでしょう。

そんなことを思いながら、図書館へ行きましたら、
環境保護や、エコを推進する本が特集で紹介されていました。
その中に、ツバルのことを紹介する写真本がありました。
沖縄と同じ美しい珊瑚礁の写真や子どもたちの笑顔があって、
そうした風景が、そう遠くない将来、海に沈むと書かれています。
地球温暖化による、海面上昇による被害を訴えているのですが、
そこにはもう一つ、重大な問題が写し出されていました。

こんな小さな島でさえ、経済のグローバル化が押し寄せていて、
ありとあらゆる生活物資が、外部から持ち込まれているのです。
外部から持ち込まれた工業製品は、自然に還ることなくゴミになる。
そのための大量のゴミが、ゴミ捨て場に溜まっているのです。
ゴミを燃やせばダイオキシンが出るので、燃やすこともしていない。
沈み行く島は、同時にゴミに汚染され続ける島でもあるのです。
しかもこのゴミは、海外からの援助物資である可能性が高い。

地球温暖化も、大量のゴミ処理も、拡大する貧富の差も、
留まるところを知らない、経済拡大がもたらしたものでもある。
その解決に、さらに経済の拡大が必要だと思うのは間違いです。
むしろ人間の理性は、そのコントロールを求める時代となっている。
経済拡大のために、膨大なエネルギーを使う時代はもう終わり、
今は限られた資源を、どう持続していくかを考える時代なのです。
100%自給できるように、省エネ社会を作ればいいのです。

今起きている、地球温暖化や環境汚染の問題は、
技術の問題以前に、思想と発想の問題なのです。



山本敏晴さんの「地球温暖化、しずみゆく楽園ツバル」は、(↓)こちら。
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