オバマ旋風とは何か?

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アメリカの大統領選挙で、民主党の候補者選びに、
ヒラリーさんとオバマさんが熾烈な争いを続けていることは、
みなさん、マスコミを通じてご存知のことだと思います。
それでは、世界中の人が知っているヒラリーさんに対して、
ほとんど無名のオバマさんが、なぜ多くの人に支持されるのか?
その理由を、少し明らかにしておきたいと思います。

ヒントは、枝廣さんの講演で聴いたバックキャスティング手法です。
枝廣さんは、地球温暖化などの大きな問題を解決する手法として、
(1)ビジョンを描き、(2)全体像を把握して、
(3)行動すること、(4)それを伝え広げること。
この4ステップが大切だと指摘されました。
そして今のアメリカでは、すべての大統領候補が変革を口にする、
そのくらいに「変革」は大きなキーワードになっています。

そこでオバマさんの主張は、自分が大統領になることが変革だとして、
名もなく実績もない、だけどイラク戦争には反対してきたことや、
人種や貧富の差で分断されつつあるアメリカ国民を再統一して、
もう一度、誰でもが夢を持てる国にすることを訴えているわけです。
それに比べるとヒラリーさんは、これまでの活動実績を示し、
自分はこれだけ実力があるのだから、大統領に相応しいとして、
具体的に教育問題や福祉医療問題など、改善の方法を主張します。

考えてみれば、ヒラリーさんの手法は日本の政治家と同じで、
今ある問題を一つ一つ整理して、その解決方法を積み上げていく。
これは既存の政治家に典型的な、フォアキャスティング手法と言える。
だけどこの手法では、今まで多くの問題を解決しようとするたびに、
新しく次の問題を作り出してしまった!という実績も伴ってくるのです。
すなわち、多くの人が納得できないような政策を決めておいて、
説明責任を自分の都合よく済ませて、ただ自画自賛ばかりをくり返す。
ほんとうにすばらしい政策なら、なぜ社会は疲弊し続けたのか?

そこで登場する候補は、ウンザリするような実績を何も持たず、
ただ理想を唱え、夢を語り、みんなでそれを実現しようと呼びかける。
その政治手法としては、既成の常識で自動化した行動を続けるのではなく、
目的だけは明確にして、方法は常識に縛られない発想を使おうとする。
たとえば大阪の橋下知事に多くの人が投票したのは、政党とは関係なく、
さらには実績としての政治手腕にさえ、まったく関係ないところで、
今までの常識とは違う何かを、府民が求めていたからでしょう。

マスコミ知識人達は、政界再編などと、相変わらず古い発想ですが、
今や多くの一般市民は、もう政党などどうでいいくらい信用もしていない。
何がいいかよくないかは、その都度自分で判断させて欲しいと思っている。
ところが現実問題として、市民には判断材料が公開されていないのです。
この状態で判断することも叶わないから、新しい人の出現を待っている。
多くの人が、今までの手法では解決できない問題がある!と思う以上、
ヒラリーさんではなく、オバマさんが時期大統領になるでしょう。

ただし、自由の国アメリカでは、
自由を唱えてチカラを得た人は殺されてきた歴史もある。
オバマさんが、来年も無事に生きていてくれることを願います!

ところで蛇足ですが、共和党大統領候補者には、オバマさんと同様に、
イラク戦争憲法違反だと訴えている Ron Paulテキサス下院議員がいます。
この人は、昨年最終四半期の寄付金が、クリントンオバマをしのぐ額に達し
その中でも軍関係者からの寄付は全ての候補者の中で群を抜いていました。
しかしマスメディアは取り上げないし、4大ネットではニュース報道もしない。
その理由は、Ron Paulが次のように発言しているからだと言われています。
911テロは不自然なことが多く、大統領に当選したら再調査をする」
真実を語る人を危険視するのは、既得権益を握る勢力の人にとっては当然です。
マスメディアは不都合を知っているから、遠ざけようとするのでしょうか。


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