蜃気楼のような世界

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昨夜はパキスタンの、ムシャラフ大統領を取材した番組を見ました。
そしてアメリカが、アフガニスタンを攻撃した時のことを思い出しました。

その当時僕は、インターネットのホームページに日記を公開していて、
パキスタンでお店を経営している女性と、時々連絡を取っていたのですが、
彼女はとてもムシャラフを信頼して、希望を託していたのを覚えています。
番組でも言ってましたが、軍人であるにもかかわらず民主主義を知っていて、
それを急激にやっても国情に合わないために、時間をかけている人だと。

日本からも大勢のマスコミや政府関係者がイスラマバードへ行っていて、
彼女はそうした人たちに「おばちゃん」と呼ばれて頼りにされていた人です。
そのおばちゃんによれば、日本やアメリカのマスコミ報道は偏向的で、
ムシャラフは軍人だけど、政治は選挙で選ばれた議会政治よりも民主的だ!と、
当時の僕にとっては、なんともわかりにくい話を聞かされたものです。

そのムシャラフが、野党党首が殺害されてことで政治的混乱の中にあり、
それでも2月18日の総選挙が決まったことで、一安心を覚えます。

あれからもう5年の月日が過ぎて、その間にも大勢の人が殺されましたが、
そうした軍事的状況のほかに、この間には環境破壊が急速に進みました。
NGO、NPOなどの組織が活発に動き出して、環境破壊の防止を訴え、
僕の周囲にも、戦後のアフガニスタンやアフリカ、アジアの国々へ行って、
現状を見て回ったり、北欧などの対策先進国で見学してきた人も多いのです。

だけど僕は、沖縄の珊瑚礁破壊を見て、もう絶望的な気持ちでいましたし、
飛行機で飛び回って活動すること自体、大変な環境破壊だと感じていたので、
自分に出来ることは何なのかと考え、自然農を選んで始めたのです。
それ以来この自然農を軸に、まみあな活動や平和映画祭などをやりながら、
僕らを取り巻く情報が、いかに歪んだものかを学んできた気がします。

テレビもラジオも新聞も、自主規制なのか何なのか、ほとんど政府報道で、
たまに違う視点のニュースがあっても、まだ何かを隠している感じがする。

それでもまだ、去年のNHK番組編集に対する政府の介入事件などでは、
言論の自由を盾に多くの抵抗意見が出てきて、介入はいけないと判断され、
そのことは、現在も確認事項として文書化されていると聞いています。
多くの人がこれだけ気をつけていながら、それでもなかなか真実は届かない。
真実よりも伝えたいことだけを伝えているのが、今のマスコミでしょうか。

これだけ大量の情報がありながら、その情報の多くは歪められ錯綜している。
まるで蜃気楼を見ているような情報の中で、それでも真実は伝わるのか?
いやすでに僕らは、自らの手足を使ったことにしか真実はないと知っています。
個人の自立→地域の自立→国の自立→世界の自立←これが循環型社会になる。
蜃気楼に惑わされることなく、食とエネルギーの自給を見据えるべきでしょう。



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