いなみ国際木彫刻キャンプ’07

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今週末は驚くことに、僕の周囲には国際フェスティバルがたくさんある。
「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」「世界演劇祭・利賀フェスティバル2007」
「世界自然・野生生物映像祭」そして「いなみ国際木彫刻キャンプ’07」
音楽、演劇、映像、彫刻、とあらゆる芸術作品の国際フェステバルがあるのです。
富山県のこんな田舎で、どうしてこれだけの国際的なイベントがそろったのか?
不思議と言えばおおいに不思議だけど、これらは全部それなりの歴史を持っている。

その中で、僕が住んでいる井波町の木彫刻キャンプには、14カ国18組の参加があり、
2週間を掛けて、現地で木の塊から作品を仕上げる過程をすべて見せるイベントです。
これはもう、「木彫刻の井波」としての長い伝統の中で、世界各地と交流があり、
それを四年に一度のイベントとして集めて見せるのだから、これはすばらしい!
特に今年は行政の支援が減って、多くの仕事をボランティア・スタッフがやっている。
次回からは、このイベントのすべてを、独立採算でやらなければならないと聞いている。

僕なんかは自分がやるなら、行政の紐付きなんて煩わしくて願い下げだけど、
これだけ世界規模で参加者を集めるには、行政の支援だって欲しいに違いない。
市町村合併でこうした大切なイベントは切り捨てられ、開発事業だけが生き残る?
弱者切り捨ての行政は、同じ経済のグローバル化を押し進める韓国でも同じらしく、
イ・カンソクさんが制作している作品のテーマは、米の貿易自由化に対する抗議でした。
この写真がそれで、5つの米を並べた形が、そのまま5本指の手になるそうです。

多くの参加者が、民族の美や理想といった抽象的な概念を、具体的な形に彫り込む中で、
彼は食糧貿易の自由化に講義する!といった具体的なテーマを抽象的に表現する。
その主張する精神性に、なんとなく心が惹かれて、シャッターを押していました。
このキャンプは9月1日まで続くので、今はまだ完成段階には遠いのでしょうが、
製作過程を見せることがこのイベントの目的の一つであれば、今の時期に一度見て、
さらに3日後か4日後、そして出来上がりまで見たいものだと思いました。

なにしろ国際規模のフェスティバルが、同じ週末に集中してしまっているので、
明日には「みえない雲」を鑑賞したあと、富山国際会議場での映像祭を何本か観て、
明後日には福野のヘリオスで、野外ステージの歌と踊りを観てこようと思っています。
利賀の演劇フェスティバルは、実は一番みたかったステージが他の用事と重なって、
ほかの出し物を観る気がしないまま、今回はパスすることにしてしまいました
それにしても、これだけの国際イベントを実現する田舎は、たいしたものですよね!