源氏物語絵巻

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月に一度、源氏物語の朗読と読み解きの学習会に参加しています。
この話が多岐に渡って、当時のさまざまな文化的事情を教えていただくと共に、
今に通じる日本人の感覚が、とても新鮮に思われて楽しみなのです。

その読み解きも、今日からは「絵合」の段に入ったのですが、
それとは別に、源氏物語絵巻の画像をスクリーンで見せていただきました。
国宝となって保存されているものと、修復されたものを見比べて、
その蘇った色や模様の鮮やかさには、少なからず驚かされます。

もともと源氏物語の絵は巻物ですから、そんなに大きくはないですよね。
それがスクリーンで拡大投影すると、細かい髪の一本一本描かれて、
背景になっている御簾の、落ち着いてやわらかな質感などもよくわかるのです。
もう一千年近い昔に、このような優れた絵が描かれていたことに驚きます。

来年は、源氏物語が書かれてからちょうど千年になるとも聞きますが、
この修復された絵巻の一つ一つのシーンから、見えてくる何かは、
そのまま今の日本を見直す材料になることは、間違いないだろうと思うのです。

僕らは、いつのまにか、人生で本当に大切なものの色を失っているとして、
それはきっとこの絵巻のように、今はまだ修復可能だと思うのです。
大切なものを守れないなら、働くことに意味はないのかもしれないですね!


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