琉球海運の撤退

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今年の沖縄計画で、帰りの石垣から那覇を船にしようと思ったら、
琉球海運の旅客取り扱いが、無くなっていることに気付きました。
30年以上前、僕が初めて沖縄へ行ったときから使っていた海運会社で、
沖縄までは飛行機で行くようになってからも、離島行には使っていた。
それがいつのまにか、貨物しか取り扱わないようになっていたのです。
人より貨物を乗せた方が、利益があると言うことなのでしょうか?

これで那覇と石垣や宮古を結ぶ旅客便は、有村郵船だけになりました。
以前から夏の間は、なかなか予約が取れないほど混んでいた便です。
なるべく安く石垣島へ行こうとするのは、困難な時代になってきました。
それでも観光ブームで大人気の石垣島なので、来島者は増え続ける。
幸い僕が好んで潜るような、珊瑚のきれいな場所に観光客は来ないので、
そこまで行ってしまえば、今でもゆったりとした時間を過ごせるけど、
ひとたび市街地や川平に近づくと、かつての島の雰囲気はどこにもない。

僕は特別に懐古趣味なわけでもなければ、現代文化を否定もしない。
ただ少し方向性を間違えているというか、大切なものを見失っている。
さほど大切とも思えない生産性や合理化のために、多くのものを失って、
自分で幸せから遠ざかっている人が多いことに、悲しみを覚えるのです。
人生の限られた時間を、ゆっくり味わうこともしないで走り回る、
過剰な情報に振り回され、過剰な経済活動に我を忘れて、自らを消失する。

豊かさとは何であるかは、多様な考え方があっていいと思うのですが、
圧倒的多数の人が、ひたすら数値を追いかけている姿はどこか不気味です。
経済的に採算の合わないものは次々に失われて、合理化だけが進む。
そんな社会がいいとは思えないのに、疑問に思う人が減っている。
そうして生きている喜びを味わう人が減ってしまえば、環境も破壊され、
止めどなく人間性が失われる悪循環に陥っていくしかないでしょう。