新しい季節に

日本では公官庁や学校が4月新年度なので、
ほとんどの会社や各種団体までが、この季節にリニューアルします。
なんとなく世の中全体がうきうきしていて、きらいではない季節。
僕が住む北陸では、農作業もこの頃に本格化するので、
春はいかにも、フレッシュで新しい季節感がありますね。

だけど実際には決していいことばかりではなくて、
中国大陸からの黄砂は、少し離れた裏山さえ見えないくらいに、
霞がちな春の野山を、思い緞帳の中に閉じこめてしまう。
天気予報も当たらないので、振り回されるだけ振り回されて、
それでもなんとか、雨間にいくつもの野菜を種下ろししましたけどね。

里芋、ジャガ芋、大根、人参、小松菜、ゴボウ、
今のところこれだけ植えたけど、これからも植え続けて、
今年は去年よりも自給自足に近づきたい。
政府の農業政策では、農業は統合して大型化を進めて、
さらなる機械化で石化エネルギーを使うようにし向けるけど、
僕が勧めるのは、もっと自由裁量で楽しめる生き方としての農業です。

日本人はどうも、なんでも人に合わせるのが好きなようで、
政府やマスコミが正しいと言ったものは、そのまま信じる傾向が強い。
だけど僕はすぐに疑問を持って、いったん反対側の意見を持つ。
それからゆっくりと、さまざまな視点からの意見を考慮して、
やがて自分独自の考え方を持つようになる。

子供の頃から、それが当たり前だと思っているけど、
少なくとも日本の世の中では、そう思っている人は少ないようです。
学校教育でさえ、なんでも自分で考える子供は疎まれる。
社会においてはなおさら、個々人の自主性より全体の利益が優先する。
一歩距離を置いてみると、危険な国かなあと思わないでもない。